福原遥&水上恒司、戦争映画で伝えたいこと 水上「生きている間に始まるとは思っていなかった」
映画は、SNSを中心に“とにかく泣ける”と話題となった汐見夏衛さんの同名小説が原作。福原さん演じる現代の高校生・加納百合が、1945年の戦時中の日本にタイムスリップしたことから始まる物語。水上さん演じる、命をかけて戦地に飛び立つ運命の特攻隊員・佐久間彰と百合が出会い、戦争という現実に向き合いながらも、初めて人を愛することを知っていく姿が描かれます。
――どんな思いで演じていましたか?
福原:(演じた)百合は芯がしっかりしていて、自分の意見をちゃんと口に出せる女の子だったので、そこは絶対にブレないようにしながらやっていました。
水上:(演じた役が)“もっと生きたい”とか“怖い”とか“さみしい”とか、そういうのを思いながらも、あえて押し殺しているっていうことを、忘れないで演じていくっていうこと。人間離れしたような子ではなく、中身は普通の男の子なんだっていうことを忘れないでいてあげて演じていました。
■戦争への思い「僕が生きている間にどこかの国で始まるとは」
――この時代に公開されることは、どのような意味があるでしょうか?
水上:現在も、まさか僕が生きている間に、どこかの国で(争いが)始まるとは思っていなかったので、こんなふうに意義がついてくるなんて思っていなかった。(映画では)たった2時間でしか表現できないので、これが全てではないっていうことを踏まえながら、学ぶきっかけに、入り口になってくれたら、この作品を公開する意味があると思いますね。
福原:普通に生活していることが当たり前じゃなくて、今の生活が幸せなことだなと思うので。自分の好きな道、夢に向かえることのありがたさ、大切な人と一緒にいることの幸せっていうのを改めて感じて、少しでも優しい気持ちに、“もっと大切な人を大事にしよう”って思ってもらえる作品になればいいなって思っています。
■約1か月半の撮影期間 自身と役柄をリンク
この映画では、水上さん演じる佐久間彰を含めた5人組の特攻隊員が描かれています。水上さんは、その5人組のメンバーとの約1か月半の短い撮影期間が、自身と役柄をリンクさせたといいます。
――撮影現場はどうでしたか?
水上:(特攻隊は)自分から志願して出撃地に集まって、同志たちと打ち解けながら「よし、お前がいるから俺も行ける」「そうだよな」って言いながら命令が下るまで数週間。それが実際に撮影期間1か月半という短さと、僕の中でリンクしていました。隙間時間にキャッチボールしたり、ノック打ったり、短い期間で仲を深めて過ごしてましたね。
――福原さんはその光景は見てましたか?
福原:見てました。ほほえましかったです。“誰目線?”って感じなんですけど、ボールのスピードが速すぎてすごいなって。
水上:11年間野球をやってましたからね。やっていた身としてはピッチャーじゃなくてバッティングしたかったなって。本当に楽しかったですね。
■2人の今をつくった“出会い”
映画の物語が、彰と百合の出会いから始まるストーリーということで、福原さんと水上さんが経験した“かけがえのない出会い”について伺いました。
――これまでに、自身にとっての“かけがえのない出会い”はありますか?
福原:料理番組を小学校のときから4年間ぐらいやってたんですけど。“今の自分があるのは、その皆さんのおかげ”だなって思ってますね。“第2の家族”のような、愛を感じて今も頑張れています。この世界の楽しさ、お芝居、歌、声優、いろんなものをそこで挑戦させてもらったので、自分の原点はそこだなって思ってます。
水上:改名して1年ちょっとですので、“ここまで一緒にきた仲間たち”。たった1年ですけども、本当にその仲間たちと出会えたことによって、自分の中での責任の持ち方だったり覚悟だったり、考え方がどんどんどんどん更新されていっています。本当の意味でちゃんと対等に大人として扱ってくれるというか、当たり前のことなんですけどね。背筋を正されるっていうか、伸びる気分ですし、大事にしたいなと思う方々です。