「伝統的酒造り」ユネスコ登録…「繊細で世界的にも珍しい技術に誇り」秋田の日本酒造りに携わる人たちからも喜びの声
「高清水」の銘柄で知られる秋田酒類製造です。その酒蔵の一つ、仙人蔵では、1953年に建設されて以降、手作業による仕込みで酒を造り続けてきました。いま、酒造りの最盛期を迎えています。
平川順一社長は昔から続いてきた日本の繊細な作業が認められたと、喜びを語りました。
秋田酒類製造 平川順一社長
「清酒が単なるアルコール飲料じゃなくて日本の伝統、そして文化、そして生活様式に根差したものとして認められたことを誇りに思いますね。」「並行複発酵といって世界的にも珍しい技術で、一つのタンクの中で糖化と発酵が同時に進むということなので、非常に繊細で、世界的にもないような造りでおいしいお酒を生み出してるってことは、自分たちでも誇りを持っていますし、すごいことなんだなと思います」
コロナ渦以降、低迷しているという日本酒市場。登録をきっかけに、全国はもちろん、海外にも日本酒のファンがさらに増えることを平川社長は期待しています。
平川社長
「日本の皆さんに、日本酒の良さやおいしさをさらに認めてもらえるような形になればうれしいと思いますし、その努力を重ねていきたいと思います。一方、海外においてはインバウンド等盛り上がっていますので、さらにそれが伸長すればいいなと思います。輸出は弊社ではすごく好調なので、これをテコともバネとでもして伸びていったらうれしいと思います」
豊富な酒米と仕込み水に恵まれた、県内屈指の酒どころ横手市では。
JR横手駅前にある市の生涯学習館「あおーな」で、ユネスコ無形文化遺産への登録を記念した日本酒のパネル展が開かれています。
甘酒や漬物などこうじを使った横手市の発酵食品の文化とともに、市内5つの酒蔵の歴史や酒造りへのこだわりなどが紹介されています。
展示を見ていた人は
「横手は特に発酵でね、そうそう、良かったなと思ってます。」「山内杜氏とかやってるんでね。地元でも杜氏の人たちがいろんな所に行ってやってますよね。すごい誉れになる、すばらしいことだと思います」
「日本の文化ですので、世界に広められたら最高ですよね」
「日本酒の飲み比べとかもできたりするので、すてきな場所がまた増えて観光も楽しくなるかなと思います」
地域特有のコメと風土で醸し出す伝統的な日本酒造りのユネスコ無形文化遺産への登録。
パネル展は横手市の生涯学習館「あおーな」で、今月20日、金曜日の正午まで開かれています。
県関係のユネスコ無形文化遺産は、鹿角市の「大日堂舞楽」に始まり、角館・土崎・花輪を含む「山・鉾・屋台行事」、「来訪神」の男鹿のナマハゲ、それに「風流踊」と、たくさんあります。
伝統的酒造りの登録も秋田の知名度の向上につながればと思います。