映画『スーパーマリオ』 メガヒットを的中させた映画評論家が語った人気のワケ
映画公開直後の今年5月、日テレNEWSのインタビューで「(日本でも)100億円超えのメガヒットを狙える、今年の代表作になるポテンシャルはあると思う」と分析していた映画評論家の松崎健夫さんによる、世界的なヒットのワケを改めて紹介していきます。
■止まらない“マリオ旋風”となった理由
映画は、『ミニオンズ』や『怪盗グルー』などで知られるアニメーション製作会社・イルミネーションと任天堂が共同で製作。日本発の人気ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』の世界を原作とした新しいアニメーション映画で、マリオやピーチ姫などおなじみのキャラクターたちが登場します。
日本で生まれたゲームキャラクターをモチーフにした映画がなぜ世界中で大ヒットしているのか。松崎さんは「ひとつはマリオのゲームをやってきた人たちが今作の映画の予告映像やポスターのビジュアルを見て“これはマリオだよね”と思えたからではないか」と語っていました。
■大ヒットのワケは“キャラクターデザイン”
世界的な大ヒットとなった理由について、松崎さんは「映画化する際によく新しいキャラクターを登場させましたとか、キャラクターの造形を改変してみましたとかよくあるじゃないですか。それをやらなかったのが良かった。予告編ではマリオやクッパだけでなく、ピーチ姫やキノピオ、ドンキーコングなど少なくともゲームをやっている世代の人たちなら、見たことあるおなじみのキャラクターたちをちゃんと登場させている。最近は口コミが重要と言われ、推薦コメントを有名人にもらったりしますけど、この作品は一切なかったので、口コミに頼らず爆発的にロケットスタートできたのは、“映画を見たいと思わせる力がビジュアルにあった”からだと思います」とヒットの要因を分析していました。
さらに、松崎さんは「有名な作品を映画化するときに、作り手たちは“映画にするならもう少しこうしよう”と映画向けの物語の構成になりがちです。それよりも原作の再現度がどのくらいなのかというのにみんな興味があるというか“オリジナルの物語を作りました”というのは望んでいないのかもしれない。マリオのヒットは昔からある作品をどう改変していくのかという面白さに興味を持つ人が減ってしまって、“原作に忠実であるということに喜ぶ観客が増えている”という象徴にもなっているように感じました」と観客側の変化についても語っていました。