役所広司、カンヌで最優秀男優賞 「ひょっとしたらありえるかな?」と思ったワケ
■「スタッフたちと一緒に受賞を分かち合えた」
カンヌ国際映画祭とは元々“縁”があった役所さん。第50回で主演作『うなぎ』(今村昌平監督)が最高賞のパルムドールを受賞しました。
授賞式後の取材で、「『うなぎ』のときにもトロフィーをお受け取りになった。ご自身の賞でのトロフィーはどんな気分?」と質問されると、「『うなぎ』のときは本当に興奮していて、まさかパルムドールとは思わず監督の代わりにもらった。欧米の方たちはプレゼンターの方とハグして、チュッチュっとキスをしてから受け取っていたんですけど、間際まで僕は“どうすればいいんだろう”とギリギリまで迷っていました。俺もするべきかな…と思いましたけど、日本人らしくお礼をして(トロフィーを)いただいた思い出があります」と過去を振り返り、「今回は監督もすぐそばにいましたし、スタッフたちと一緒に受賞を分かち合えた」と、笑顔を見せました。
■「ひょっとしたらありえるかな?」と思ったワケ
さらに、「何の賞かわかるまでどんな気持ちだったか」と聞かれ「ひょっとしたらありえるかな? と思っていました。色んな人の名前を言っていたので“あ~ダメだったんだな”と思っていたんですけど、最終的に審査員が“コウジ・ヤクショ”と言ったときに“あ~なんだ。もらったのか!”とビックリしました」と告白。“ひょっとしたらありえるかな?”と思った理由について「監督がしょっちゅう”大丈夫”みたいなことを言っているんですけど(笑)。今回たくさん取材をして(受けて)とてもよかったと褒められて、のせられていたんで。“そう思っちゃいけない”と思っている自分と、“そんなこと(受賞)ってあるかもしれないな”と思ったんですかね」と、賞に対する本音を明かしました。
■“海外からのオファー”は「参加したい」
カンヌ国際映画祭で日本人が最優秀男優賞に輝くのは、『誰も知らない』(是枝裕和監督)で主演した柳楽優弥さん以来19年ぶり、2人目。役所さんは「この賞で(俳優業に)影響はあると思うか?」という質問に「やっと柳楽くんに追いついたかなと(笑)。柳楽くんも素晴らしい俳優になったし。この賞に恥じないように頑張らきゃなと、と改めて思います」とユーモアを交えながら語り、報道陣を笑わせました。
そして最後に、「海外からのオファーも増えると思うが、どんな気持ち?」と聞かれると、「リアルな日本人を演じられるんだったら、色んな国の映画で、自分の表現が役に立つようないい作品があれば参加したい。基本的には自分たちの国の映画で、世界中の人たちに楽しんでもらえるのが一番の早道かなと思っています」と、今後の展望について語りました。