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【特集】ベートーベンも愛した 三条市の学校に眠っていたピアノ「エラール」 修復され約100年前の音色を奏でる《新潟》

2024年1月21日 1:45
【特集】ベートーベンも愛した 三条市の学校に眠っていたピアノ「エラール」 修復され約100年前の音色を奏でる《新潟》

三条市の高校で、幻のピアノと言われる名器、フランスのエラール社手作りのフルコンサート型ピアノが長く使われずに眠っていました。約2年半かけて修復を終えて三条市に戻り、その音色を奏でました。

三条東高校に眠っていたピアノ

幻のピアノと言われるエラール社のフルコンサートピアノ。このピアノが長い間眠っていたのは2020年度に創立110年を迎えた三条東高校。

修復が必要な状態

1931年に高校にやってきたピアノは鍵盤がガタガタで動かなくなっているところがあるなど、再び演奏できるようにするには大掛かりな修復が必要となっていました。

約3年前、このエラールのピアノ復活のため地元・三条市で動き出したのが永桶康子さんです。

「やらなければならない」

NPO法人 燕三条エラール推進委員会 永桶康子代表
「どうしても救い出したいけど、救い出せないピアノが三条市に眠っていますよねという感じで、もうそれを聞いたからにはやらなければならないと」

永桶さんはNPO法人を立ち上げて寄付を募りエラールのピアノ復活のため動き出しました。2年半前、眠っていたエラールが、修復のため三条東高校から運び出される日がやって来ました。

この日、高校の卒業生でピアノと深い縁のある1人の女性の姿がありました。山崎満美子さんです。満美子さんは三条東高校に購入するピアノを選んだ大井楽器の大井長一さんの孫娘。当時のピアノの話を祖父から聞いていました。

「予算オーバーのピアノ」

山崎満美子さん
「すごいピアノで、とっても予算的にオーバーだったのだけれど、儲けとかそういうことではなくて、そのピアノを三条東高校に入れて、女子校の人たちの喜ぶ顔とか、びっくりさせたいっていうのが一番だったみたいで、100年近く時間が経っていて、もう大井楽器もなくなっているし、エラールが、楽器店があった証としてまたこれからずっと生き続けていくのかなと思うと、すごく熱い気持ちになって」

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多く作曲家に愛されたエラール
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