来年度の予算編成に財政審が提言 “市場の信頼を維持”“将来世代に負担先送りしない”求める
来年度の予算編成について財務省の審議会が提言をまとめました。財政に対する市場の信頼を維持し将来の世代に負担を先送りしないことを強く求めています。
財政制度等審議会・榊原定征会長「(財政に対する)市場の信認を得る、将来世代への責任を果たしていく、これが今回のキーワードでございます」
提言ではまず、来年度の予算は、長年の財政課題やウクライナへの軍事侵攻などの世界的な環境変化で生じた問題を解決していく決意を示したものとすべきとしています。
防衛の分野では、安全保障の環境が厳しさを増す中で有事に備えるための財政余力が不可欠と指摘しました。
「防衛費は経常的な経費であり、負担を先送りせず、安定財源の確保が必要」とし、限られた資源を最大限活用して国民の理解と納得が得られるよう取り組むべきとしています。
また社会保障については、コロナ対策のための予算が膨大になっていることを取り上げ、ウィズコロナへの移行に伴い、特例措置の検証と見直しを行うことを求めています。
高齢化でふくれあがる負担に対し「能力に応じた負担」とする全世代型への制度改革を急ぐべきだとしました。
政府・与党は提言をふまえ、来月下旬に来年度予算案をまとめます。