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“物価2%上昇”目標は来年度に~日銀総裁

2015年4月30日 20:59
“物価2%上昇”目標は来年度に~日銀総裁

 日本銀行の黒田総裁は30日の金融政策決定会合後の会見で、日銀が掲げる、前の年に比べて2%物価を上昇させる目標を達成する時期が遅れるとの認識を示した。

 黒田総裁「『2015年度を中心とする期間』から『2016年度前半頃』ということで、若干2%程度に達する見込みが後ずれしていることは事実」

 黒田総裁は、原油価格の下落などを背景に達成時期が遅れることを認めた上で、企業の収益が改善していることや賃金も上昇傾向にあることから、「緩やかに物価上昇率が高まっていくというメカニズムは作用し続けている」と、目標の達成に自信を示した。

 日銀が30日に公表した最新の経済見通しでは、今年度の物価上昇率について、これまでの前年度比プラス1.0%から、プラス0.8%に下方修正した。ただ、来年度の見通しは、これまでより下方修正したもののプラス2.0%、2017年度の見通しは、プラス1.9%(消費税率引き上げの影響除く)とし、2%程度の上昇を予想している。

 30日の金融政策決定会合では、年間で約80兆円のペースで資金供給する大規模な金融緩和策は維持した。