韓国でアフリカ豚熱の感染拡大 農水省が危機感
韓国でアフリカ豚熱の感染が拡大していることを受けて農林水産省が危機感を強めています。
アフリカ豚熱は、豚やイノシシに感染する致死率の高いウイルス性の感染症です。人へは感染しません。
普通の豚熱とは違い有効なワクチンがなく、豚の死体の中でもウイルスが長く残存します。
アフリカ、ロシア、東ヨーロッパのほか、アジアでも19の国や地域で感染が確認されていて、韓国では2019年に初めて感染が確認されて以降、養豚場の豚や野生のイノシシに感染が拡大しています。
去年12月からことし1月にかけても、日本の旅行者が利用することが多い釜山港近くで野生のイノシシの感染が立て続けに10例確認されています。
日本ではまだ感染は確認されていませんが、もし日本国内の養豚場で感染が確認されると、その養豚場のすべての豚を殺処分しなければなりません。
今後、日本へ感染が拡大するリスクは極めて高いとして、坂本農水大臣は「一度侵入を許すと、我が国の畜産業に壊滅的な被害を生じることとなる」と危機感を強めています。
農水省は、海外からの旅行客や海外から帰国する日本人に肉類を持ち込まないことや靴を消毒するよう呼びかけるなど、水際対策を徹底する方針です。