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<解説>物価高の苦境を乗り越えろ!徹底したデジタル化で変わるスーパーマーケットの最新事情

2022年10月6日 21:31
<解説>物価高の苦境を乗り越えろ!徹底したデジタル化で変わるスーパーマーケットの最新事情

世界的な物価高の中、スーパーマーケットは商品の価格転嫁が十分にできず、光熱費・物流費の負担も増加している。これを乗り越えるには、徹底的なデジタル化が鍵を握る。最新の店舗やスーパーマーケットの未来について、経済部・宮島香澄解説委員が解説する。

■物価高でスーパーマーケットは

物価高が小売業の収益に打撃を与えている。原材料価格や輸入価格が高騰しても、消費者は商品の値上げをそのまま受け入れて同じように買ってくれるわけではない。値上げを要請するメーカーと消費者との板挟みにあり、値上げ分全部を価格転嫁することはできていない。

また、店舗の光熱費や人件費、物流費も上がっていて、これはそのまま店舗側の負担となる。

コロナ禍で、冷凍食品やお総菜など家で簡単に食べられるものなどが売り上げを伸ばしたが、全体としてはコロナ前より低調だ。昨今の物価上昇で収益はより厳しくなりそうだ。もし、スーパーが閉店すると、地域住民の日常の買い物や生活に大きく影響する。経済産業省はスーパーマーケットの今後について検討会を始めた。鍵を握るのは徹底したデジタル化だ。

■「USMH」のScan&Goシステム

マルエツやカスミなどを展開する「ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス」の店舗で使われているScan&Goシステム。コロナ禍で2年前から広がっている。

このシステムは、自分のスマホに専用アプリを入れるかお店のスマホをカートにつけ、商品を選ぶごとにスキャンする。そのまま、ワンタッチで会計ができ、駅の改札を通るくらいの速さで支払いが終わる。登録したクレジットカードから引き落とされ、レジ待ちの必要がなくなる。

事前にネットで商品を選んでおいて、店内の専用コーナーで受け取ったり、宅配してもらうこともできる。

また、デジタル・データを使って顧客が選んだ物の栄養価を分析し、栄養不足を補うための野菜や食品などを「お勧め」もしてもらえる。

さらに今計画中で、消費者の利便性に役立ちそうなのが、お目当ての商品がある場所を検索するシステムだ。棚にアドレスをつけ、スマホなどでほしい商品を打ち込むとどの棚にあるかすぐにわかるようにする。今は従業員が実験を始めた段階で、来年、Scan&Goに搭載される見込みだという。

■「トライアルカンパニー」の最先端の店舗では

「トライアルカンパニー」の店舗でもスマートカートは広がっている。自分のバッグがそのまま使えて、商品を入れ替える手間がないタイプだ。レジ会計がスルーでできるのでレジ待ちは大きく減ったという。

最先端の店舗では、店内にたくさんAIカメラが配置されている。陳列棚を見て欠品や売れ具合を把握。カメラで得た情報に値札が連動して自動的に値下げされる、ダイナミックプライシングを導入している。例えば、弁当などの残り具合と時刻を見て値下げする、といった具合だ。

カメラで生産者に店の様子を見てもらうこともできる。棚にならぶ商品を見て、自分が作ったものの売れ行きや消費者の反応が見えて、生産者の意欲につながるという。

トライアルカンパニーの福岡県宮若市の施設は、流通関係者のハブにもなっていて、28社と1団体が連携してアイデアを出し、店舗でいろいろな実証実験をしている。これからのスーパーマーケットは他業種との連携も重要となる。

■デジタル化で変わる商品管理やサプライチェーン

デジタル化で大きく変わるのは、消費者には見えにくい部分だ。在庫の把握や気象条件などに応じた商品発注のコントロール、サプライチェーンの管理、共同倉庫など、デジタルで効率的にできるところがたくさんあり、生産性が低い日本の流通業を大きく変える可能性がある。

小規模な小売店はデジタル化の設備投資に二の足を踏む傾向もあるが、スマホとQRコードだけでできることなど、設備投資は必ずしも大きくないという。輸送の共通化など、メーカーや他社と連携してみんなで利用するほどに利便性が高まることもある。業界共通のシステムも始まっている。

■これからのスーパーマーケット

経産省の検討会では、スーパーマーケットが目指すべき未来像も議論している。魅力的な商品、必要な商品に出会えること。買い物の楽しみや時短など、豊かな時間に貢献すること。地域とのつながり。魅力的な職場であること。

そういう場になるために、業界横断で、自治体とも連携し、DXをフルに活用するー私たちの生活を支えるスーパーマーケットの改革が期待されている。