円安・物価高で中古品が“売り時”? 高級ブランド品に中古家電も…需要増加で“より高く”
生活を圧迫する物価高は、実は使わないものを売るチャンスにもなっていて、今が“売り時”と言える状況に鳴っています。中古品買い取りの現場を取材しました。
◇
都内にある中古品の買い取り販売店で見せてもらったのは、高級ブランド、「シャネル」のバッグです。
KOMEHYO新宿店 保谷龍太マネージャー
「昨年に比べて買い取り金額が、20万円ほどアップしたバッグです」
新品未使用での買い取り金額が「100万円」と、去年より20万円上昇しています。円安で国内のブランド品の価格が高騰する中、中古品の価格も上昇しているのです。そうした中、店では、“今が売り時”と考えてか、自宅に眠るブランド品の買い取りを依頼する客が増えているといいます。
KOMEHYO新宿店 保谷龍太マネージャー
「買い取りのお客さんが(前年同期比で)150%、1.5倍に増えています」
9月29日、80代の男性が持ち込んだのは、妻のものだという「シャネル」と「ルイ・ヴィトン」のバッグです。
鑑定士
「以前よりもかなりお支払い、頑張れるようになりました」
査定の結果は、2点で22万5000円となりました。
80代男性
「(予想より)上行ったよ。旅行でも行けますよね」
◇
“売り時”なのは、ブランド品だけではありません。
埼玉・所沢市のリユースショップ「トレジャーファクトリー所沢店」を訪ねると、特定のモデルで製造3年以内の暖房器具は1万円以上で買い取るとアピールしていました。(破損の場合を除く)さらに石油ストーブやファンヒーターは、製造10年以内であれば1000円以上で買い取りするといいます。(破損の場合を除く)
最低買い取り価格を提示してまで買い取りを強化するのは、今年が初めてです。その理由は――
トレジャーファクトリー所沢店 冨樫知寿店長
「物価高というところもありますし、半導体不足というところで、新品の家電の価格が上がっているというところもありまして、新品で買われるよりも中古家電は比較的リーズナブルな形なので、お求めになられるお客さまも多くいらっしゃるので」
人気ブランドの空気清浄機つき羽なしファンヒーターが1万6000円あまり、2年前のツードア冷蔵庫が1万4000円ほどなど、中古品には新品の半額以下で購入できるものも多くあります。ものの値段が上がる今、新品ではなく割安な中古品を求める客が増えているといいます。つまり、買い取り金額が上がり、“売り時”とも言える状況になっているということです。
9月29日、持ち込まれた8年前の小さな冷蔵庫でも、500円の買い取り価格がつきました。
トレジャーファクトリー所沢店 冨樫知寿店長
「ホットカーペットは年数が新しいので1500円」
さらに、ホットカーペットの買い取り価格は1500円になりました。
売りに来た客
「これで何かおいしいものを」
物価高をうまく乗り切る知恵が求められています。