サンマ漁獲量“激減” 夜の海に「赤い光」
私たちの食卓から消えてしまうかもしれない、そんな危機を迎えているサンマとマグロ。3日、これらの問題を話し合う国際会議が開かれた。いったい、何が起きているのか-。
3日、ZEROが訪れたのは、都内の魚料理店。客のお目当ては秋の味覚、サンマだ。これから旬を迎えるサンマ。ところがいま、異変が起きている。
【サンマが、とれない】
農林水産省によると、サンマの漁獲量は2008年には約35万トンだったが、去年は約22万トン。ピーク時の3分の2に減っている。
サンマがとれない。その原因の一つに、ある存在が…。サンマの調査船がとらえた映像には、夜の海に、無数の赤い光が浮かぶ様子が映されている。正体は…漁船だ。サンマ漁をする「台湾の船」だという。
ここ数年、増えているという外国漁船によるサンマ漁。しかし、なぜ日本の漁獲量に影響するのか。近海に豊かな漁場がある日本は、太平洋側から移動してくるサンマを排他的経済水域内でとっている。ところが、外国漁船はその外側の「公海」で、サンマ漁を行う。すると外国漁船がサンマを“先取り”する形となり、日本に来る数が減ってしまうのだ。しかし、これらの漁は、どの国の領海にも含まれない「公海」上で行っているため、違法ではない。
3日、都内ではサンマ漁に関する国際会議が初めて開かれ、公海上でのサンマ漁船の数が急激に増えないようにすることなどで一致した。
【クロマグロは、絶滅危惧種に】
同じように、深刻な問題に直面しているのがマグロだ。近年、乱獲などが原因で激減しているクロマグロ。現在は、絶滅危惧種にも指定されている。漁業には大きな打撃だ。長崎県の離島・対馬では、マグロ漁が盛んに行われている。しかし-。
対馬市曳縄漁業連絡協議会・梅野萬寿男会長「今のところ、生活もままならん状態ですね」
ここ数年、漁に出てもマグロが全くとれない日もあるという。
3日まで行われた「太平洋クロマグロ」の資源保護に関する国際会議では、漁獲規制のルールについて話し合われた。しかし、合意には達せず、結論は先送りされた。
日本の食卓に欠かせないマグロとサンマを守るため、有効な対策が引き続き求められる。