TPP「関税」撤廃するモノ 残るモノ
政府は20日、TPP(=環太平洋経済連携協定)で合意した関税の扱いについて全てを公表した。
品目数で見ると日本は、TPPが発効すれば95%で関税の撤廃を決めている。その他のTPP参加国は、いずれも99%以上の品目で関税の撤廃を決めていて、特にニュージーランドやシンガポール、ブルネイは全ての品目で関税を撤廃する事にしている。
日本は、TPP参加国から輸入する「工業製品」については、全ての品目の関税を撤廃する。例えば、革製かばん、ハンドバッグ、革靴などは現在8~16%の関税が掛かっているが、11年目に撤廃。衣類は4.4~13.4%の関税がかかっているが、即時撤廃される。
一方、農林水産品については、約8割で関税を撤廃する。フルーツでは、すいか、メロン、いちごなどは現在6%の関税が掛かっているが、即時撤廃される。また、加工食品では、私たちの食卓でとても身近なインスタントコーヒーには8.8%、ミネラルウオーターには3%の関税がかかっているが、こちらも即時撤廃される。
日本が守るとしたコメや牛肉など、重要5項目に属する586品目のうち約7割は無関税枠を設けたり、関税の引き下げを行ったりするものの、関税自体は維持される事になった。また、5項目以外でも、こんにゃく、しいたけ、ひじき、わかめなどの海藻について関税自体は維持された。
こうしたことから日本の関税撤廃率は、品目数ベースで95%となっている。日本以外の11か国はいずれも99%以上の品目で関税を撤廃する事にしていて、TPPが発効すれば貿易の活性化が期待される。