貿易収支5年連続の赤字 3月単月では黒字
昨年度の日本の貿易収支は5年連続の赤字となった。一方で、足もとでは原油価格下落の影響で、石油や天然ガスの輸入額が減っていることから、3月単月の貿易収支は2か月連続の黒字となっている。
財務省が発表した貿易統計によると、2015年度1年間の輸出は、アメリカ向けの1500cc以下の自動車などが伸びた一方、アジア向けの鉄鋼製品やプラスチックの原材料などが減り、74兆1173億円で、3年ぶりの減少となった。
輸入は、原油価格の大幅な下落を背景に、中東からの石油や液化天然ガスの輸入額が減り、75兆1964億円で、2年連続の減少となった。
この結果、輸出額から輸入額を差し引いた日本の貿易収支は、2015年度1年間で1兆792億円のマイナスで、5年連続の赤字となった。
一方で、財務省が同時に発表した3月単月の貿易収支は、原油価格下落の影響で燃料の輸入額が減り、2か月連続の黒字となっている。
熊本地震による貿易への影響について財務省はサプライチェーンの被害が輸出に与える影響などを注意深く見ていくとしている。