品薄でコメの買い方に“変化” 農家「直売」サイトが好調…売り上げ12倍も
今年の新米がスーパーなどでも徐々に出回り始めましたが、品薄が続いた影響で“コメの買い方”にもある変化が起きていました。
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土鍋で炊きあがった、ふっくら、つやつやな白米。宮城県産の新米です。
この白米をメインに据えた日本料理店「白」では、約40種類の新米を試食して、その時々で、おいしいコメを選んでいるといいます。新米を使い始めたのは、3週間前から。ただここ最近、これまでなかった変化が…
「白」白川勝店主
「例年出していただいているキロ単価より、40~50円とか何百円とか、あげさせてもらいますっていう。今年初めてですね」
コメの高値が続けば、メニュー価格にも影響しかねないといいます。
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徐々に流通し始めた新米。その現状を街の人に聞いてみると…
──スーパーにコメは?
新米を購入した女性
「ない、ない、ない。きのう西友にいっぱいあったけど、次の日はなかった」
新米を購入した女性
「やっぱり高かったわね。3300円、3500円ってするから。パックご飯、あれもスーパーで1人1個~2個にしてくださいって」
子育て中
「売ってないので、親にもらったりしてます。売ってたとしても高いので」
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9日、都内のスーパー「マルヤス高島平店」で待ちわびていたのは…
マルヤス運営会社・共同代表 松井順子さん
「来た!多分来ましたよ」
到着したトラックに積まれていたのは、大量のコメです。去年収穫された千葉県産のコシヒカリ。コメの入荷は、約1週間ぶりです。届いた80袋のうち、まずは24袋を店頭に。5キロで税込み3238円。個数制限なしでの販売です。
アナウンス
「コメ入荷しました。千葉県産コシヒカリ5kg入荷しました」
マルヤス運営会社共同代表 松井順子さん
「せっかくなのでアピールしたい」
新米も出回り始めたなか、売れ行きに変化はあるのか、ウオッチングを開始。すると1時間後…
記者
「在庫があることに気付いて、みているお客さんがいます」
その後も、コメの在庫に気付いた客が、手に取り始めました。
──いくつ買われた?
コメを購入した人
「今2個です。周りで売っていないので、買えたらいいなと思って」
結局、4時間の取材中に売れたのは8袋でした。
マルヤス運営会社・共同代表 松井順子さん
「通常の販売数よりも、ちょっと多いくらいなので。順調かな」
安値が売りだという店。3000円を超える価格で、この売れ行きは好調だといいます。
いまだニーズが高い、コメ。それだけに「買い方」にも、ある変化が。
大田ファーム 大田剛之さん
「今年は天候に恵まれて、とてもいいと思います」
岐阜県で農家を営む大田さん。毎年10トンほどの新米を収穫していますが…
大田ファーム 大田剛之さん
「だいたい3分の1が直売・ネット販売とか」
4年ほど前から農家と消費者をつなぐ直売サイトでコメを販売。今年も収穫前から予約が盛況だといいます。
さらに…
大田ファーム 大田剛之さん
「普段売れない高いコメが、ぽんぽん注文が入ってびっくり」
2キロで2600円する高級米が完売するなど、例年にない状況も。スーパーなどで品薄が目立ち始めてから、この「直売サイト」では、コメの売り上げが去年の同じ時期に比べて12倍、「定期契約」の注文も3倍に増えたといいます。
品薄を機に、変わるコメの買い方。街では、こんな声も…
子育て中
「安定して入荷されるのが、いつごろになるのか。すぐ売り切れちゃうので」
そのギモンを専門家に聞いてみると…
──コメの品薄、いつまで?
日本総合研究所・チーフスペシャリスト 三輪泰史さん
「今週中くらいに、ほぼ量としては出そろうと思います。ただ今(コメを)少し買いすぎの傾向が全体的にあるので、品薄の解消まで少し時間がかかる」
また、コメの高値については…
日本総合研究所・チーフスペシャリスト 三輪泰史さん
「今みたいに3~5割高い、倍くらいするという混乱は、11月頭までには完全に収まる。最終的に価格が落ち着いた後も、過去(去年)に比べると、だいたい1割くらい高くなると考えられる」
また、「手元にコメがあるならば、無理して買わない」ことも大事だと指摘。消費者にも冷静さが求められそうです。