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日銀 上昇率「年2%」の達成時期先送り

2016年11月1日 21:24
日銀 上昇率「年2%」の達成時期先送り

 日本銀行は物価上昇の見通しを下方修正し、目標としている上昇率、「年2%」の達成時期を先送りした。一方で、中長期的には物価の上昇が予想できるとして、追加の金融緩和は見送った。

 日銀は1日の金融政策決定会合で、今年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通しを修正し、プラス0.1%からマイナス0.1%へ0.2ポイント引き下げた。また、物価が前年比で2%上昇する時期の見通しを、従来の「2017年度中」から「2018年度頃」に先送りすることを決めた。先送りは5回目で、黒田総裁の任期が終わる再来年4月までの達成は困難になった。

 日本銀行・黒田東彦総裁「物価上昇の先行きがどうなるかと、私自身の任期との間には特別な関係はない。2%の物価安定の目標を、できるだけ早期に実現するために、適切な政策を決定し実行していくことに尽きるのではないかと」

 一方で、原油の価格が回復していることや、オリンピック関連の需要が本格化することなどを背景に、中長期的には物価の上昇が予想されるとして、追加の金融緩和は見送った。