2017年 景気は? 経済界はどう動く?
2017年、景気は改善するのか?企業経営者たちは、日本経済の成長に貢献できるのか?経済三団体のトップらに景気の見通しと経済界として取り組むべきことについて見解を聞いた。
大企業1300社以上が加盟する経団連の榊原定征会長は、2016年後半から日本経済の上昇の兆しが出てきているとの見方を示した上で、規制緩和などを進めていけば、「2016年の景気の踊り場状況から2017年は階段を一歩も二歩も上がっていける」と述べた。
一方で、2017年の経済のリスク要因として、トランプ政権の経済政策をあげた。トランプ政権の政策次第で、為替相場が不安定に変動する可能性があり、日本経済にマイナスに影響しないよう、為替は一定水準で安定してほしいと期待を示した。
経済界として景気回復のために優先すべきこととしては、デフレ脱却に向け「経営者自身が積極的な経営姿勢を取る」ことをあげた。
具体的には、企業経営者が設備投資やM&Aを進め、“経済の好循環”をまわしていけば、日本がなかなか抜けきれない「デフレマインド」をしっかり払拭(ふっしょく)できるとの考えだ。
一方、中小企業を中心に125万人が加盟する日本商工会議所(日商)の三村明夫会頭は、トランプ政権の最初の2年程度は、経済政策によるプラスの影響の方が強く出て、アメリカの成長率は上向くとの見解を示した。
よって、アメリカが好経済の2年の間に、日本は構造改革を加速させるべきとの考えだ。特に「人手不足の対策」と「生産性の向上」を進め、潜在成長率の引き上げにつなげることが必要としている。
日商としても、女性や高齢者が働きやすい取り組みを加速させるほか、生産性の向上を後押ししていくという。
三村会頭は、中小企業の生産性は平均で大企業の2分の1にとどまっていると指摘。中小の経営者の「気づき」を促し、デジタル技術やAIの導入を後押ししていく方針だ。