安倍首相は１６日、経済界に対して、来年も「今年並みの水準の賃上げ」を求めたが、地方の商工会議所のリーダーたちからは「厳しい」という意見が相次いだ。

　全国の商工会議所の会頭、副会頭らによる会見では、これまで中小企業が行ってきた賃上げは、大半が人材確保のためなどで実力以上の賃上げだとして、来年も「今年並みの賃上げ」を期待することは「厳しい」という意見が相次いだ。

　札幌商工会議所の会頭は、「景気がゆるやかに回復している」という政府の景気判断は「実感できていない」として、「賃上げはそう簡単にはいかない」と述べた。

　高松商工会議所の会頭は、「経営者は可能な限り賃上げしたいと思っているが、小規模な会社はできる状態でない企業が多いというのもわかってほしい」と訴えた。

　日本商工会議所では、中小企業の収益の改善に向け、人工知能やロボットの活用などによる生産性の向上を促す方針。