人工知能で“わかる”あなた好みのうまい棒
インターネット上で話題の出来事を日テレNEWS24・デジタル編集チームが取材する「Hot Word」。2日のテーマは「人工知能で“うまい棒”の好みを当てる」。
11月1日から2日にかけて、「人工知能で“うまい棒”の好みを当てる」という言葉を含んだツイートが伸びました。
これは大手電機メーカーのNECの「AI活用味覚予測サービス」です。これは駄菓子の「うまい棒」15種類の中から、人工知能が好みの味を予測してくれるサービスなんです。この「AIと駄菓子」のコラボが斬新だとネットで話題になっているんです。
ネット上では「こんなコラボ、見たことない!」「こういう遊び心は大事だと思う」「人工知能の無駄遣いにしか見えない(笑)」といった反応がありました。
では実際、どうやって「うまい棒」の味の好みを予測するのでしょうか。それは「ホームページ上で5つの質問に答える」だけです。質問は毎回変わり、答えを基にAIが診断してくれます。なぜ質問に答えるだけで、AIが味の好みを予測してくれるのでしょうか?
開発に携わったNECの中務さんに話を聞きました。このサービスでは「異種混合学習技術」というAI技術を活用しています。この技術は、様々な種類のデータから「規則性」を見つけ、その規則性から、次に起こることを予測するという技術です。
味覚予測なのに、なぜ「食べ物」に関する質問がありませんが、食べ物の質問は「あえて外している」そうです。このサービスは、ライフスタイルや価値観の傾向を分析することで、回答者の人物像を導くことが、目的の一つとなっています。
ちなみに、質問は5つだけですが、用意された質問の数は「大量」にあり、その数は「秘密」だそうです。
そもそもNECがこのサービスを始めたのは、NECのAI技術を活用したサービスの例として、先進的でわかりやすいユニークな体験型サービスとして考えたからです。そのため、味覚という観点で“うまい棒”というインパクトが強い商品を取り上げたそうです。
「AI活用味覚予測サービス」には、社内のAI技術担当者だけでなく、データ分析やマーケティングなどいろいろな部署の人が集まり、「変なことを一生懸命やった」とも話していました。
そして、この技術は企業のマーケティングなどへの導入が期待されていて、天気や気温などのデータを基にコンビニやスーパーの
商品の売れ筋を予測し、無駄のない発注が可能になるそうです。
例えば、これまでは「店長の勘」に頼る部分が多かった商品の発注などを、消費者のライフスタイルから好みの商品をAIが予測します。
いま、消費者の好みはとても複雑です。そして、商品も多様化しています。こうしたことに、的確に対応するためにAI技術を利用しているんです。