電気代…また値上げ 家計にダメージ増加…いつまで続く?
ウクライナ侵攻、円安などを背景に、12月1日から電気料金がまた値上がりしました。専門家は、『少なくとも来年前半までは値上がりする傾向が続く』としていて、春先にかけては『今からさらに2~3割程度”上がるだろう』と指摘しています。
■値上げ…この先どこまで…
有働由美子キャスター
「12月1日から、電気料金がまた上がります。東京の平均的な家庭では、11月から572円アップして1万944円(※東京電力『自由料金プラン』のモデル使用量)になります」
「東京電力の電気代は、2022年に入ってから右肩上がりとなっていて、12月の電気代は1年前と比べ、約1.5倍に。さらに来年1月以降も値上げされることが決まっていますが、この先どこまで行くのでしょうか」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「電力会社が自由に決めるこの『自由料金プラン』ですが、これが値上げされた背景としては、『ウクライナ侵攻』や『円安』などがあるわけです。経済評論家の加谷珪一さんは『少なくとも2023年前半までは値上がりする傾向が続いて、春先にかけては“今からさらに2~3割程度”上がるだろう』と指摘しているんです」
「ただ、加谷さんは来年春に日本銀行・黒田東彦総裁が交代して、日銀の金融政策が変わったり、ウクライナ情勢が少しでも落ち着いたりすれば、来年後半は少し値が落ち着くかもしれない』と指摘しました」
有働キャスター
「『今しばらくは上がるであろう』ということですよね」
小栗解説委員
「そうなんですよね。ただ今月、12月は値上がりせずに、据え置かれた電力料金というのもあるのです」
「『自由料金プラン』とは別に、値上げするのに国の認可が必要な『規制料金プラン』です。今年8月から“9000円台”を上限に固定されていて、『自由料金プラン』よりも、結果的に2000円ほど安くなっているんです」
(※2023年1月『自由料金プラン』…1万1170円 『規制料金プラン』…9126円)
有働キャスター
「『規制料金プラン』を使った方が、お得になるということですか」
小栗解説委員
「それが、そういう訳でもないんです。今、東北電力などはこの『規制料金プラン』を来年春に値上げするということを国に申請しています。値上げの割合は平均3~4割ということで、もし値上げが実施された場合、今度は『規制料金プラン』の方が『自由料金プラン』を上回ってくるということも考えられます」
■電力会社による“値上げ”想定 政府が支援策
有働キャスター
「どちらのプランにしても、家計へのダメージは避けられないということですが、廣瀬さんは何か電気代の節約をやっていますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「特に意識しているのは、エアコンですね。消費電力が大きいので、代わりに天井にシーリングファンを付けて、活用しています」
有働キャスター
「節電で言いますと、ただ自分たちだけでいくら努力しても、カバーできないですよね」
小栗解説委員
「そうですね。政府は電力会社が来年に約2割値上げすることを想定して、政府は来年1月~9月は“その分”の補助金を出して、家計の負担とならないように支援する考えです」
有働キャスター
「節電について、経済産業省は『暖房の設定温度を22℃から20℃に下げると“約3%”削減』、『不要な照明を全部消すと“4.5%”削減できる』としています。“ちりも積もれば”ではありますが、くれぐれも体調は崩さない程度に、無理のない範囲でやっていきましょう」
(12月1日放送『news zero』より)