“第8波”迫る中…物価高が医療機関に打撃 電気代も100万円上がり経営圧迫
16日も、全国の新型コロナウイルスの感染者は10万人を超えました。“第8波”への警戒感が強まる中、医療機関では物価高騰の波も深刻で、電気代が100万円ほど上がった病院もあるということです。
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始まりつつある“第8波”。
東京都で16日、新たに1万114人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。2日連続で1万人を超えています。
16日朝、東京都の連雀学園・三鷹市立第六小学校では、“第8波”への警戒感から児童に感染対策の徹底を呼びかけていました。
4年1組担任・砂岡奈保子先生
「みんな知ってる? 今、少しずつ増え始めてる」
児童
「コロナ!」「インフル!」
砂岡奈保子先生
「さぁ、あなたたちにできることは、なに?」
「手洗い、うがい!」
児童
「消毒!」
砂岡奈保子先生
「消毒しよう!」
学芸会に向けた練習も、外で行われていました。
砂岡奈保子先生
「やはり、コロナがだいぶはやってきているので、感染(対策)としては外でやるのもいいのでないかと」
この小学校では先月中旬、1日に20人ほどの陽性者が確認されるなど、感染が再拡大しています。さらに、15日には八王子市にある小学校でインフルエンザによる学年閉鎖が行われたため、コロナとインフルのダブルパンチに危機感を抱いていました。
砂岡奈保子先生
「換気は譲れないところなので、基本的には少しでも(窓を)開けておくという対策はとっていきたいなと思っています」
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八王子市では、今月に入り感染者が増加。そのため、16日から独自の取り組みをスタートしました。
保健所を訪ねると、壁には、新型コロナ患者を受け入れる病院のリストが貼られていました。
八王子市健康危機管理担当課長・片岡幸子さん
「“病院の病床が、だいぶひっ迫してきている”という情報をいただきましたので、支援拠点を早めに立ち上げようと」
八王子市のある救急病院では、今月に入りクラスターが発生し、コロナ患者の新規受け入れを原則、停止にしました。受け入れ病院が減る中、今後、重症者や中等症患者が増えた時に備え、入院先の調整をする拠点を開設したのです。
しかし、その中等症患者を受け入れる八王子市の清智会記念病院では、別の深刻な問題も抱えていました。
この病院では16日、4床あるコロナ病床全てが埋まっていました。患者数が増えれば増えるほど、ひっ迫するというのが「医療用品」です。
清智会記念病院 横山智仁理事長
「手袋だとか帽子だとか、ビニールエプロン、ガウンなどを使って(コロナ患者の)治療であったり看護させていただいているんですが、2倍以上の値段に跳ね上がっていって」
輸入品の医療用手袋などが、円安などの影響で、新型コロナの感染拡大前と比べて約2.2倍値上がりしているというのです。さらに――
清智会記念病院 横山智仁理事長
「CT(=コンピューター断層撮影)とか、MRI(=磁気共鳴画像装置)とか、非常に電気をびっくりするくらいくう状況で、月100万円値上がりしている」
今年の夏、電気代がなんと月に約100万円も値上がりし、経営を圧迫し始めているといいます。そのため、廊下などは電気を間引きして、節電をしているということです。
物価の値上がりと感染拡大。二重苦はこの先も、続いてしまいそうです。