経済同友会「政府に釘を刺す」財政支出増加を食い止める提言発表
経済同友会は、政府が6月をメドに財政の基本方針、いわゆる「骨太の方針」を策定するのを前に、「政府に釘を刺す」として、財政支出の増加を食い止めるための提言を発表しました。
経済同友会で財政・税制委員会の委員長を務める竹増貞信氏(ローソン社長)は、政府が6月をメドに策定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針2023」への反映を目指し、提言を発表しました。
竹増委員長は会見で、「お孫さんの将来の借金で今の社会保障が成り立ってるんですよ、ということをどれだけの方が認識されてるか」と問題提起し、将来世代に負担を先送りしないための方策を説明しました。
具体的には、賃金の上昇を一過性のものにせず継続的に行えるよう、日本全体での生産性の向上が不可欠だと訴え、生産性の低い企業が円滑に市場から“退出”し、生産性の高い産業に人材が移動できるよう、政府は制度改革をすべきと促しています。
また、財政問題が国民一人ひとりの自分事となるよう、金融リテラシーを向上する必要性も訴えました。新入社員研修の際、あるいは初任給や初のボーナスを支給する際に、日本の財政や税負担の学びの場を設けるべきだとしています。
そして、高齢化で社会保障費が増大する中で少子化対策の実効性を高めるため、現役世代の負担構造を見直し、子育てにかかる経済的負担を軽減すべきという提言も盛り込んでいます。
経済同友会は企業の経営者が個人として参加し、国内外の課題解決のために議論し政策提言などを行う組織で、特に財政問題などに若い世代が関与していくことを促しています。