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業種を超えて…有翼ロケットにのせた夢 4

2018年9月17日 18:01
業種を超えて…有翼ロケットにのせた夢 4

宇宙ベンチャー「スペースウォーカー」代表取締役CEOの大山よしたか氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。4つ目のキーワードは「オールジャパンで宇宙を目差せ!」。その真意とは?


■なぜ“有翼”なのか?


――最近の日本の製造業といいますと、家電製品だけではなく、スマホやコンピューター、最先端のIT機器なども海外勢に少し押され気味かなという印象があります。そんな中、今なぜ宇宙なんでしょうか。

宇宙に関しては、まず需要と供給の問題で、すごく需要が多いので、しっかりと打ち上げるほうも増えていかなければいけないということがあります。


――やはり「有翼」という、翼がついているか、翼がついていないかでかなり違ってくるものなのですか。

完全再使用というところを僕らは狙っています。ミサイル型の延長に人が乗るのではなくて、飛行機の延長の形で人が乗ることによって、やはり安全性を担保できると思います。

例えば、今や飛行機というものは安全なものじゃないですか。しかし100年前はそうではなかったんですよね。それを誰かがやっていたと思うので、それを今回、宇宙版になっても僕らがやっていこうとしています。


――技術的に相当ハードルが高い部分というのはあるのでしょうか。

ゼロからやると難しいと思いますが、日本が積み重ねてきたものだと思っています。さらにいうと、各重工の力もあるので、そこを皆で力を合わせながら、それこそ「オールジャパンの体制」でやっていけたらと思っています。


■他の宇宙ベンチャーとの関係は?


――世界のIT企業の中でも、宇宙ベンチャーに投資することも、結構目立った動きがありますが、そういうビジネスとしての可能性については、どのように考えていますか。

衛星などに範囲を広げると、すごく宇宙にできることはあると思っています。もしかしたら通信機器の端末も、宇宙経由なるかもしれないし、農業や地震予測とか可能性はいくらでも広がると思います。そこをしっかり僕らが往復できるようになって、応えていけたらいいなと思っています。


――世界のIT企業家や日本でも堀江貴文さんなどが、宇宙ベンチャー事業に乗り出していますが、そういった方々は、大山さんにとってはどのような存在ですか。

たとえ恐々としていたとしても、そういうことをいっていられないと思っていて、みんなで力を合わせられるところは、合わせながら進めてたらいいなと思っています。

現に、宇宙ベンチャーは20社くらいしかないので、みんな仲良くはやっていますね。距離は近いと思います。


――宇宙に行けるかもしれないという夢を持っているお子さんたちもたくさんいると思うのですが、そういう子どもたちに向けてメッセージはありますか。

9歳の息子がいるので息子にも言いたいのですが、誰かが頑張ることによって、宇宙が身近になるといいなと思っています。

それは人が飛ぶということだけではなくて、衛星の面でもそうだと思っていて、それにより値段が下がることもあると思います。それをやっていけるよう僕らは一歩一歩、頑張っていきます。


――注目が集まれば集まるほど、技術も進化していくし、お金も集まっていくし、それをけん引していくのが大山さんということですよね。


   (5)へ続く