日本銀行新総裁に植田和男氏が就任 戦後初の学者出身、理論だけでなく実務面でも高い評価
10年ぶりの交代です。「物価の番人」とも言われる日本銀行の新たな総裁に、経済学者の植田和男氏が就任し、新体制が始動しました。
日銀が金利を低く抑えるという、欧米とは正反対の金融政策を続ける中、10年ぶりの総裁交代で、日銀の政策は修正されていくのか、関心が高まっています。
植田氏は戦後初めての学者出身の総裁となり、理論だけでなく実務面でも高く評価されています。
日銀は、これまで国債を大量に買い入れる異次元の金融緩和を継続してきたことで、国債の半分を日銀が保有する異例の状況となるなど、副作用も多く指摘されています。
元日銀理事で、植田総裁と政策のやりとりの経験をもつ人物は、植田氏について次のように話しています。
元日銀理事、みずほリサーチ&テクノロジーズ・門間一夫エコノミスト「わかりやすく説明をしようと、そういう気持ちが常にある方なんだなと。理論だけではなくて、実際にそれが現実に適用できるのかといったようなことを細かく議論をされていたと。(政策の)副作用を軽減するための工夫とかを考えていかれるという可能性は高いと思う」
植田総裁はこれまで金融緩和を継続する姿勢を示しているため、急に金利が上昇する可能性は低いとみられています。
しかし、どう金融政策を正常化させていくのか、難題を多く抱えたままの始動となります。