広がる“0円サービス”その魅力と注意点
0円で乗れるタクシーや、タダで借りられるスーツ…いま「0円サービス」というものが広がっているのを知っていますか?
■「0円タクシー」に乗ってみた
街中に現れたのは、真っ赤な車体にカップ麺のラッピングを施したタクシー。今月5日から始まった、その名も「0円タクシー」です。車内には、座席やマットにカップ麺などのロゴが。まるで「走る広告塔」のようです。さっそく乗ってみました。
「銀座3丁目までお願いします」
「はい、かしこまりました」
今回は東京駅から銀座3丁目まで利用。表示された料金は、1600円でしたが…これが0円になります。この0円タクシーは、配車アプリから予約できます。乗車は都心の5つの区に限られていますが、行き先は23区内であればどこでも0円。なぜ、そんなことができるのでしょうか?
実は、宣伝したい企業が、先ほどの配車アプリに広告費を出しています。そして、配車アプリの会社も、広告費を出すことで運賃がまかなわれ、0円で乗車できるんです。では、広告の効果はあったのでしょうか。
担当者「ブランドを好きになっていただけるとか、ブランドを再度思い出していただくとかっていうことに対して、非常に大きな効果があったなと」「まずは利用者の方に知ってもらって、継続的に利用していただくことで、しっかりと収益にもつなげていくことができるというふうに考えております」
今後、広告主を増やして、さらにサービスを拡大していきたいといいます。また、このサービスでタクシーの客層にも変化が。今まで利用の少なかった若者を中心に広がっているんだそうです。
■0円サービス、注意点も…
「レンタルスーツ」にも0円サービスがあります。実はこれ、就職活動をする学生に、無料でリクルートスーツを貸しているんです。リクルートスーツの相場は2万円~5万円ともいわれ、学生には切実なもの。しかし、こちらでは、事前に予約をして、自分のサイズなどに合うスーツを見つけたら、そのまま借り出せます。
担当者「学生にお金を払っていただくのではなくて、広告といった形で企業からご支援をいただきながら、運営していけたらいいなと思っています」
魅力的にも映る0円サービス。ただ、企業の狙いも意識したほうがいいようです。企業の戦略に詳しい中野裕哲さんに聞くと――
「無料、低額のサービスがあって、その後に継続的なサービスの契約が裏に隠れている。契約を迫られたりというようなケースもあるかと思いますので、よく注意したほうがいいと思います」
さらに、登録の際、個人情報を提出することで、不要な広告がくる可能性も指摘します。
今後、利用者のニーズと企業の戦略がよりマッチしていけば、0円サービスはまだまだ広がりそうです。