「大阪絶滅危惧めし」「大人も集まれる駄菓子屋」登場 文化を未来に残す動き
絶滅しそうな「食文化」、子どもたちの憩いの場「駄菓子屋」を未来に残そうという動きが広がっています。中華料理チェーンでは、失われつつある食文化を守ろうと大阪のソースチャーハンを販売しました。また、都内には大人も集まれる駄菓子屋も登場しました。
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中華料理チェーン「大阪王将」では、先週から「大阪絶滅危惧めし!『絶対絶命ソースチャーハン』」の販売を開始しました。見るからにコッテコテ。大きな具材がたっぷりのったソースチャーハンです。
大阪出身の客
「大阪のときは、家でチャーハンにはソースかけて食べてましたけど」
大阪王将に、開発のきっかけを聞きました。
大阪王将 外食販促企画 高橋ますみさん
「大阪では、いろいろなものにソースをかける。焼きめしにソースをかけるというところも昔からあったようです。『その食文化を、もう1回残したいな』と思って」
失われつつある食文化を守ろうと「絶滅危惧」というワードを使い、大阪のソースチャーハンを販売しました。今後は、全国の失われつつある地元の食文化を商品化していきたいということです。
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“シャッター通り”と化した東京・町田市にある団地の商店街にある駄菓子屋「ぐりーんハウス」でも、絶滅の危機にある文化を守ろうとする人がいます。
ぐりーんハウス 除村千春店主
「『なんとか、その名前を次に残せないかな…』と考えて、引き継ぐことに至った」
経済産業省によると、駄菓子屋などの菓子店は、ここ45年ほどで約8割が減少しました。少子高齢化はますます進み、創業50年を超えるこの駄菓子屋も、いよいよ存続の危機を迎えていました。そこで――
除村千春店主
「こちらはシェアキッチンになります。単純に、地域交流の場ととらえています」
自由に使えるキッチンスペースを設置し、子どもだけでなく、大人も集まれる駄菓子屋に生まれ変わりました。店を訪れた子どもは「あった! これと…」と好きなお菓子を選んでいます。また大学生のグループも、駄菓子を手に取りながら「これ知ってる!」「懐かしい!」と声を弾ませていました。
除村千春店主
「私だけがこの店を一人で作り上げるのではなくて、いろんな方に関わっていただきながら、この場を守り上げていただくということ」
失われたにぎわいが、地域の力で復活しつつあります。
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あの有名ブランド店「ビームスジャパン」も動き出しました。
ビームスクリエイティブ プロデューサー 川上奈津絵さん
「『失われつつある駄菓子店の魅力を伝えたい』と思って、プロジェクトをスタートしました」
ビームスジャパンは、駄菓子メーカーとの期間限定コラボを今月8日まで行います。店内に特設スペースを設けて駄菓子を展示するだけでなく、こんな企画も――。
例えば、大きさの違うポケットがたくさんついて、駄菓子をそれぞれ入れることができる「駄菓子専用ベスト」など、ユニークな服や、小物の販売も行っています。
川上奈津絵さん
「駄菓子店ってワクワクしたり、お小遣いを握りしめていったり、すごく楽しくなる場所だったと思うんですね。だから『そういうところが日本にはあるんだよ』というところを、後世に伝えていけたらなと」
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絶滅危惧の文化を守る動きは、今後ますます広がりそうです。