備蓄米「落札」で“ひとまず安心”も中小企業からは不安の声 コメ価格高止まりの中「すき家」牛丼値上げへ
コメの価格が高止まりする中、備蓄米の入札をめぐっては、業者に結果を知らせる通知が届いています。
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“安くておなかいっぱいに”。そんなお財布に優しい牛丼ですが…
週2日は牛丼 お客さん(50代)
「(値段)上がるんですか?」
週3日は牛丼 お客さん(30代)
「ちょっとつらいかもしれないです」
牛丼チェーン店の「すき家」が20円~50円値上げすると発表。国産米などの高値が長引いているためで、来週18日から全体の5割にあたる商品を値上げするというのです。牛丼並盛は1杯450円から480円に。
コメの価格上昇による値上げは2回目という、すき家は…
すき家
「今後、備蓄米については、国産のコシヒカリなどのブランド米があれば購入も検討する」
高止まりが続くコメの価格。先月14日に備蓄米の放出が発表されたあとも上がり続けていて、今月2日までの全国のスーパーでのコメの平均価格は3952円と、9週連続値上がりしています。
“備蓄米の放出”によって、本当に価格は、今後、落ち着きをみせるのでしょうか。
農水省では、今週月曜日(10日)から備蓄米、15万トンの入札が行われました。
入札に参加できるのは、全国のJAなどコメを集める業者、60団体ほど。高い金額で入札した業者が落札し、その後、備蓄米は卸売業者へと流れ、早ければ3月下旬にも、その大半が一部の大手スーパーや外食業界など、大手を中心に卸されるとみられています。
備蓄米がいくらでどれくらい落札されたのかなど、詳細は14日に農水省が発表する見通しですが、既に入札結果の通知が届いている業者も。
JA福井県米穀販売課 高山祐一課長代理
「大部分を落札できましたので、ほっとしているところです」
JA福井県では、希望した入札量の約9割を落札できました。
──店頭価格の引き下げにもつながる?
JA福井県米穀販売課 高山祐一課長代理
「そうなっていくのではないかなと思いますけど、どのくらいの水準になるかは私どもにもわからない」
また、JA熊本経済連では「ひとめぼれ」など希望する5つの銘柄、計1000トンをすべて落札しました。
備蓄米の落札によって“ひとまずは安心”という声があがる一方で、中小企業からは、悲痛の声が。次々と搬入されてくる、コメ。
千成食品 田中浩樹常務取締役
「(コメの)値上がり幅が今までにない幅で、非常に厳しい」
企業などへ販売する弁当を作る工場では、コメの仕入れ値が高騰し、1年ほど前と比べて、1か月あたり約1600万円分も上昇。
千成食品 田中浩樹常務取締役
「死活問題になっております」
そこで、少しでも安い仕入れ先を見つけるため、50社を超える卸売業者などと値段交渉。しかし、継続して安く仕入れられる業者の見通しは立っていないといいます。
千成食品 田中浩樹常務取締役
「(備蓄米がくるかは)あんまり期待していない」
中小企業まで備蓄米が行き渡るのか…。困惑の声も広がっています。