セブン&アイ 買収提案のクシュタール社に“反論”

セブン&アイ・ホールディングスは株主などにあてた書簡を公開し、カナダの大手コンビニエンスストア、アリマンタシォン・クシュタールから受けている買収提案の協議の経緯について明らかにしました。
書簡の中でセブン&アイは、これまで2度にわたり、アメリカの独占禁止法上の課題に対処するべく、両社間でその解決策と店舗売却の可能性についての協議を行うために秘密保持契約(NDA)を結ぶことを提案したものの、クシュタール社はこれを拒否したと明かしています。
セブン&アイは以前から、アメリカのコンビニ事業で1位・2位の両社が統合すれば、アメリカの独占禁止法上の課題があると指摘していて、クシュタール社に対し、アメリカ国内の店舗を売却することなどを求めていました。
書簡では、クシュタール社はこれを拒否し、クシュタール社が「アメリカの独占禁止法上の具体的解決策がないまま両社統合の最終契約に締結し、締結後にはじめて、一定数までアメリカ国内の店舗をスピンオフあるいは売却手続きを開始する、という当社にアメリカの独占禁止法のリスクの大部分を負わせる不十分な解決策を提案した」などとしています。
またセブン&アイは、「『友好的な取引を求めている』との主張にもかかわらず、クシュタール社は友好的な取引であれば通常含まれ、かつ必須となる多くの保護条項を秘密保持契約から排除した」として、クシュタール社が敵対的買収を行わないことを盛り込んだ契約案を拒んだ、などと主張しています。
クシュタール社は今月、会長らが都内で会見を行い、セブン&アイに提案を真摯に検討するよう訴えましたが、これについてセブン&アイは書簡の中で、「クシュタール社の提案を拒否したという事実は一切無い」「当社が交渉を遅延させているという事実は一切無い」などとして“反論”。両社の主張は平行線のままとなっています。