累積赤字の農水ファンド 業績連動報酬検討
92億円の累積赤字を抱える政府系“農水ファンド”が株主総会を開催し、業績に応じた報酬制度を取り入れることを検討すると表明した。
政府系の農水ファンドである「農林漁業成長産業化支援機構」は株主総会を開催し、役員報酬を業績連動制にするか、9月をメドに結論を出すと表明した。
この農水ファンドは、農林水産物を加工、ブランド化し販売する「6次産業化」を支援しているが、設立から6年間で92億円の累積赤字を計上している。それにもかかわらず、役員が業績不振とは関係なく定額で報酬を受け取っていることなどに批判の声があがっていた。
また、多額の赤字となる案件を担当していた役員について、退職慰労金を減額すべき不正行為がなかったか法律事務所に調査を依頼するという。
農水省は、このファンドの経営状況について、「現段階で、“いずれ挽回できる”という状況になっていない」との見解を示した上で、国民が株主という意識を持って経営改善を支援していく、としている。