宿泊者数が16倍以上に…外国人観光客の「民泊」利用が急増 ホテルより選ばれる理由とは?
外国人観光客が増加する中、「民泊」の利用が急増しています。去年の同じ時期から、外国人の宿泊者数は16倍以上に。「サムライハウス」と名付けられた部屋がある民泊施設には、予約が殺到していました。ホテルよりも民泊を選ぶ理由とは?
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最近、街でよく見かける外国人観光客。オーストラリア人家族に宿泊先を聞いてみました。
オーストラリアからの観光客
「京都、大阪、東京どこでも民泊だよ」
去年10月に水際対策が緩和されてから、海外からの旅行客の数は急増しています。今、人気なのが住宅を活用した民泊で、去年の同じ時期から、外国人の宿泊者数が16倍以上になっているのです。
東京・赤坂にある民泊施設を訪れると、グレーを基調にしたシックな内装は、まるで“高級ホテル”のよう。朝食を作っていたのはイスラエル人の家族です。
イスラエルからの観光客
「日本に来るのは初めてです」
家族6人で2週間ほど滞在するといいます。なぜ民泊を選んだのでしょうか?
イスラエルからの観光客
「2週間、毎食レストランに行くのはとても疲れる。民泊なら自宅のように過ごせるわ」
シリアルなど食べ慣れた食材を母国から持ち込み、自分たちで調理できるのがメリットだといいます。この民泊で、家族みんなのお気に入りの場所というのが――
イスラエルからの観光客
「ソファがあるのは大事よ。部屋が広いので、ここを選んだの」
子どもが4人いるため、大人数で泊まれるホテルを探すのは一苦労。住宅を活用した民泊ならリビングもついていて、家族団らんの時間を過ごせるといいます。また、宿泊費もホテルより安いといいます。
イスラエルからの観光客
「(1人あたりの宿泊費はホテルより)安いと思います」
1部屋の価格を利用者の人数で割るため、この6人家族の場合、1泊あたりの1人の宿泊費は9600円ほど(先月末時点)。高級ホテルに比べて、お手頃なのもメリットだということです。
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羽田空港近くの住宅では、今月中旬から民泊施設として貸し出される予定のため、家電を搬入中。民泊を運営するこの会社「matsuri technologies」では、外国人観光客の需要の高まりを受け、急ピッチで民泊施設を拡大しています。人気のあまり、年末年始まで予約困難な施設もあるということです。
matsuri technologies RM部 北島聖将さん
「(都市部中心に)毎月100~150室くらいのペースで(民泊の)物件数増やしていまして」
別の会社が運営する東京・中野区にある民泊施設も予約が殺到しています。
アメリカからの観光客 エリックさん(49)
「日本スタイルのアートが気に入っています」
部屋の名前は「サムライハウス」。茶だんすなどがあり、まるで、おばあちゃんの家に来たような体験を味わえます。身長190センチ近くあるアメリカ人のエリックさんにとって、和室の入り口は低いようで…。
エリックさん
「別のことを考えていると、頭を打ってしまいます」
さらに、日本人サイズのお風呂も、お湯があふれ出しそうな窮屈っぷりでした。
エリックさん
「しゃがんでも膝が入りにくいです」
生活しながら、異文化を体験できるのが民泊の良さだといいます。実は、エリックさんにとって、日本はとても思い出深い場所だといいます。
エリックさん
「妻と僕は何年も前ですが、京都で婚約したんです」
24年前、お互い日本好きということで、2人は京都で結婚を誓いました。成長した子どもたちと、家族5人で、いつか日本を旅行するのが夢でした。しかし――
エリックさん
「妻が亡くなったんです、2年前コロナ禍に。それで日本に行くことができずにいました」
大切な妻との思い出がたくさん詰まった日本。水際対策が緩和されたことで、家族で日本を旅行する夢を実現しようと心に決めたといいます。
エリックさん
「妻と日本での体験を子どもたちに話していたので、実際に子どもにも体験してもらいたいと思っていました」
異文化にふれ、子どもたちが成長することを願っていました。