2分で分かる“就職氷河期世代”支援のワケ
バブル崩壊後に就職した「就職氷河期世代」を支援するため、省庁横断型の対策室が設置された。経済部の鈴木あづさデスクが2分で解説。
◆そもそも、就職氷河期世代はどのぐらいいるのか?
バブル崩壊後の景気悪化で企業の新卒採用が減らされた1993年ごろからのおよそ10年間を「就職氷河期」という。
新卒で就職できなかった人の数は、2000年ごろにピークを迎えている。今の34歳から48歳にあたり、その数はあわせておよそ2000万人にのぼる。
このうち、不本意に非正規労働者として働く人は、少なくとも50万人、ひきこもりになった人などもあわせると、100万人程度に支援が必要とされている。
実は、この時期に卒業した人たちは非正規雇用の比率が高い。また、将来の厚生年金の額が少ない上に、退職金ももらえない人が多い。
そこで政府は、この世代にできるだけ正社員としての安定した働き口を作り、将来への不安を取り除こうとしている。
◆3年間で正規雇用を30万人増やすとしているが、どうして今、支援が必要なのか?
就職氷河期世代の労働問題に詳しい東京大の玄田有史教授は、就職氷河期世代は、長年、不遇な状況に置かれて、働く意欲や自信を失っている人も多いと指摘している。
また、就職氷河期世代は、老後、他の世代にくらべて、生活保護を受給するなど、貧困層に落ち込む割合が高いという試算もあるので、実は、財政の面からも重要な施策。
今こそ実効性のある支援策が必要。