歴史的円安 ステーキ店は値上げで客離れ、100均は扱える商品が減少
円安の流れが再び強まり、円相場は14日、1ドル156円台まで下落しています。経済界からは、「いまの状況だと国民生活が厳しくなる」との声も上がっています。
ランチタイムににぎわうステーキチェーン。
客
「月に2~3回くらい(来店)。お手頃なので」
店のウリは“手頃な価格”です。しかし、そのウラでは…
ペッパーランチ広報担当 森田萌さん
「円安、為替の影響は前から続いている。(昨年に比べ)15%仕入れ値が上がっている状況」
“円安”が長期におよび影響し、仕入れ値などが高騰。去年1月、値上げに踏み切ったところ、客離れに苦しんだといいます。
円安の余波を受けるステーキ店。昨年度の倒産件数は10件にのぼり過去最多になりました。(※帝国データバンク「ステーキ店」の倒産動向調査より)
特に輸入牛肉をリーズナブルな価格で提供する店が、苦境に立たされていて、ペッパーランチ・ヤエチカ店では、平日のランチ限定で“お値打ちメニュー”を提供するなどして、客を呼び戻していました。
14日の円相場は1ドル156円台で推移。日本が直面する“歴史的円安”の影響を受ける業種の1つが、“100円均一”の店です。
ブラジルからの観光客
「スマホケース、ウエットティッシュ、消しゴムを買いました」「とても安くて最高です!」
イギリスからの観光客
「本当に100円だったので、お会計ではビックリ」
外国人観光客からは「安い」と評判ですが…
30代
「レジで1回やらかしたことがあって、『500円するんだ』って時があって。“100均”も100円じゃないもの、売るようになったんだなと思って、そこからは値段をチェック」
実は、100円以外の商品も増えているのです。さらに、内容量も…
30代
「前は何十枚も入っていたのに、3分の2くらいになってたり。昔は20個くらい入っていた気がします、リング」
──いまは11個?
30代
「11個です。減ってます」
“薄利多売”の100均業界には厳しい円安。
いまも販売する商品は、すべて税抜き100円の大手「セリア」は、出店数の増加に伴い、過去最高の売り上げとなったものの、営業利益は減少(※2024年3月期)。価格維持が困難なため、原価が低い商品に切り替えるなど工夫しています。
神奈川県川崎市の100円均一にこだわる店では…
100円ショップ越後屋 坂井一彦店長
「みそ、しょうゆ、塩とか、全体的にそろっていたんですけど、それがまったくそろわない」「(コピー用紙は)1か月半くらいずっと欠品」
原料に輸入品が多く、仕入れ値が100円に迫り、取り扱える商品が減る状況になっています。顕著なのがカップ麺です。
100円ショップ越後屋 坂井一彦店長
「いまは95円前後」
仕入れ値は95円前後。つまり1つ売って利益はわずか5円ほどです。かつては棚の上から下までカップ麺売り場でしたが、いまは他の商品で“穴埋め”しています。自宅兼店舗、かつ家族経営のため、なんとかやりくりしているものの…
100円ショップ越後屋 坂井一彦店長
「しわ寄せが全部、末端(店)に来ちゃいますから。もう限界ですね」
経済界のトップの1人からも厳しい声が出ています。
経済同友会 新浪剛史代表幹事
「円安が国民生活に不安を与えていることは間違いない。賃金を上げても影響は心理的には厳しい状況にある」
市場関係者からは、日本時間15日夜に発表されるアメリカの経済指標の結果によっては、さらに円安が進む可能性があるとの見方も出ています。