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会社守るため…中小企業で“防衛的”賃上げ 専門家「賃上げ実現のポイントは“大企業の姿勢”」

2023年1月6日 2:07
会社守るため…中小企業で“防衛的”賃上げ 専門家「賃上げ実現のポイントは“大企業の姿勢”」

日本商工会議所によると、2022年度に「賃上げをした」または「賃上げする予定」という中小企業は約5割で、そのうちの約7割は「防衛的な賃上げ」だといいます。この“防衛的”な賃上げとは…? また専門家は、中小企業が賃上げを実現させるためのポイントとして、“大企業の姿勢”などを挙げています。

■中小企業 やむにやまれぬ「防衛的な賃上げ」

有働由美子キャスター
「働く人の約7割が中小企業に勤めているわけですが、日本商工会議所によると、2022年度に『賃上げをした』または『賃上げする予定』という企業は52.6%でした。その内訳は、業績改善による『前向きな賃上げ』が28.1%、残りの71.9%は『防衛的な賃上げ』といいます。小栗さん、この“防衛的な”とは、どういうことですか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「『防衛的な賃上げ』は、やむにやまれぬ賃上げです。苦しいけれども、会社を守るためにはやるしかない賃上げだということです。実際、中小企業によると、人手不足で他の会社に行ってほしくないという『人材確保のため』であったり、物価高で生活が苦しい中『社員のモチベーションを上げるため』であったりといった理由があるということです」

有働キャスター
「もちろん経営は大変な所もたくさんあると思いますけど、社員としては『少しでもいいから賃上げをしてほしい』と思いますよね」

小栗解説委員
「そうですよね。そもそも“中小企業がなんで利益が拡大できないか”というと、取引先に対して価格転嫁が難しい、つまり『取引価格の値上げをお願いしたくてもできない』ということがあります。物価高でコストが上がる中、企業からは『一度、値上げに応じてもらったので、2度目は言い出しにくい』『コスト上昇のペースが早すぎて、前の値上げから数か月しかたっていないのに“また値上げ”とは言いにくい』といった声が聞かれました」

有働キャスター
「構造的な問題もありますけど…廣瀬さんも中小企業のトップですが、賃上げについてはどう考えていらっしゃいますか?」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「僕の会社では今年は飲食事業に挑戦しようと思っていて、初期投資もかさんでいるので、すぐ賃上げというのは難しいかな…と思います。その分、会社の全体像を共有しながら、『今の頑張りが将来、どのように仲間とか社会に反映できるのか』ということを進めていきたいですね。後は『お金』という有形資産だけではなく、『成長』『やりがい』などの無形資産にも目を向けていきたいですね」

有働キャスター
「そういう会社のビジョンを経営者と社員が共有できているというのは、これから大事ですね」

■中小企業「賃上げ実現」へ ポイントは“大企業”

小栗解説委員
「そして2023年、中小企業が賃上げを実現させるためのポイントについて、経済評論家・加谷珪一さんにうかがいました。1つは、“大企業の姿勢にかかっている”――今の段階で大企業が今後、『コスト増加分も支払う』と中小企業に対して表明できれば、中小企業は賃上げしやすくなる」

「また、中小企業はすぐには難しいけれども、“大企業との依存関係を変えていく”――独自の経営戦略を持って、独自に利益をあげるビジネスを確立する必要がある、とのことでした」

有働キャスター
「値上げの協議に積極的でない大企業の名前が公表されるということもありましたし、中小企業で働く人たちまで『賃上げ、来た!』という実感が届くまで、社長さん、政治家、日本の偉いみなさん、今年は腕の見せ所だと思います」

(1月5日放送『news zero』より)