電力販売めぐり大手電力4社が“カルテル”課徴金総額1000億円超…過去最高額
電力の販売をめぐり、大手電力4社がカルテルを結んだとして、公正取引委員会は独占禁止法違反で総額1000億円を超える課徴金の納付を命じました。課徴金として過去最高額です。
公正取引委員会は、中国電力・中部電力・九州電力・関西電力が2018年ごろから互いの営業エリアで顧客を獲得しないよう申し合わせるなどしていたことが、独占禁止法で禁じられているカルテルにあたるとして、中国・中部・九州電力の3社に課徴金の納付と、再発防止策を講じるよう排除措置を命じました。
課徴金は、中国電力に約707億円、中部電力に約275億円、九州電力に約27億円と、総額で1000億円を超え、過去最高額です。
関西電力は、自社が関わった違反内容を公正取引委員会に自主申告したため、「課徴金減免制度」により、課徴金を免除されました。
また、公正取引委員会は、カルテルに関する情報交換が大手電力会社で作る電気事業連合会の会合などで行われていたとして、30日朝、電事連の池辺会長に対し、今後、同様のことが起きないよう、組織内で周知徹底するよう申し入れを行いました。
公正取引委員会幹部は日本テレビの取材に対し、「地域を代表する大手電力会社が政府と一体となって電力自由化を進める中、その目的である電気料金の抑制という趣旨に反する行為」「役員レベルが関係して違反していた問題は大きい」と、今回の違反の悪質性を指摘しました。
大手電力をめぐっては、競合他社である新電力の顧客情報を不正に閲覧するなど、不祥事が相次いでいます。