お台場のシンボル「大観覧車」今年で幕 新宿西口の“顔”も 訪れる人は…
様々な事情で閉店してしまう店舗などに、最後の時を満喫しようと多くの人が訪れています。中には特別な思いで、東京・お台場の観覧車に乗りに来た家族の姿もあったということです。
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東京・お台場のシンボル・大観覧車に行列ができていました。今、別れを惜しむ多くの人が訪れています。
「一番のメインは、この子が観覧車に乗りたいということで」
観覧車が大好きだという男の子のため、滋賀県から来たという家族がいました。
滋賀県から来た人
「最後だから一生の思い出に残るように、家族4人で楽しんで、最後乗せてもらえたらなと」
子供たちは、最後の乗車に大興奮です。
「もうてっぺんや」
「この観覧車を一生愛します。(観覧車が)なくなっても忘れません」
1999年に開業してから、23年間で約2100万人が観覧車に乗車しました。エリア一帯の再開発のため、取り壊しが決まり、今月31日に営業を終了します。
特別な思いで訪れた家族もいました。
「夫と付き合った時の初デートで来たので」
7年前に訪れた時の2人から、今は家族3人になっていました。
7年前初デートで乗車
「最後っていうのもあるし、娘が生まれたので、家族として乗りたいと思った気持ちがあったので」
緊張の初デートから7年の時を経て、家族として思い出を作ることができました。
7年前初デートで乗車
「最後に娘連れてきて、いい思い出になったかなって思います」
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同じく今月末でお別れとなるのが、パイやおかわりできるコーヒーが人気の「アンナミラーズ」です。運営会社によると、国土交通省から再開発に伴う移転要請を受けたため、今月31日に閉店するということです。
訪れた人
「かわいらしい衣装(の制服)独特なお店だったので」
閉店発表後、多くの客が訪れ、11日は230分待ちになりました。閉店後は、オンラインショップでパイなどの販売を続けるということです。
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夏のビールを楽しむ客でにぎわうビアテラスがある小田急百貨店の新宿店本館。新宿駅西口に超高層ビルが2029年度に完成予定のため、本館は2022年10月に閉館し、新宿西口ハルクへ移転します。1967年から55年間、新宿駅西口に当たり前にあった大きな存在がなくなることになります。
お客さん
「率直にさみしいですね。目印になってるところもあると思うんで」
買い物客にも、長年愛されてきました。
お客さん
「30年とか40年とか、時々来てます」
お客さん
「この子が生まれる前から、ここでいろいろ靴買ったりとか、子供用シューズとか」
「初めての靴とか」
「ちょっとショックですね」
また、小田急百貨店新宿店の知らざれる名物が、大理石に埋まっている「アンモナイト」です。閉館に伴い、大理石の中にあるアンモナイトの化石を、抽選で1人に贈るとしています。
小田急百貨店新宿店 販売促進担当 田口絵理マネジャー
「営業終了ならではの、今しかできない企画。思い切ってアンモナイトを差し上げようと」
多くの人が別れを惜しみつつも、“最後の時”を楽しんでいます。