「成長しすぎたレタス」値崩れ 産地では破棄も…有効活用に向けた取り組みとは?
暑さ・大雨の影響で急激に成長が進み、需給バランスが崩れたレタスが“異常な安さ”となっています。これを受けて、通常の卸売価格に近づけるため、産地ではレタスが廃棄されています。また、余ったレタスを有効活用するため、ある取り組みが行われています。
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東京都内の青果店では、ある野菜に“異変”が起きています。
新宿八百屋 廣田廣史さん
「ニラですね。きょう、朝はあったのですけど、もう今、ない状態でございます」
暑い日が続いている影響で、ニラが一部、溶けるなどして品薄になっているということです。1束税込み170円で販売していましたが、昼ごろには売り切れたといいます。
高値の野菜は他にもあり、ダイコンは1本278円で販売されていました。
東京都中央卸売市場によると、野菜の卸売価格は14日時点で、ダイコンは平年比で約7割高値になりました。また、ニンジンは約3割、キャベツは2割ほど高くなっています。
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こうした中、消費者にとってうれしい価格の野菜もあります。
例年は1玉105円で販売しているレタスですが、18日は62円で販売されていました。なんと2週間前には、1玉10円で販売されていました。
廣田廣史さん
「一番安いので(1玉)10円ですかね。これだけ下がっちゃうと、だいぶ安いと思います」
“異常な安さ”となったレタスについて、お客さんに聞きました。
お客さん
「フルーツを本当は買いたいけど、すごい高いので、 葉っぱで子供たちも我慢させて…」
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さまざまな商品の値上げが続く中、レタスは今月上旬から安値となっています。産地では何が起きているのでしょうか?
news every.は、全国の生産量の約3分の1を占める“日本一のレタス産地”長野県へ向かいました。川上村では…
レタス農家 由井雅也さん
「そっち(右)が異常にデカくなっちゃった。膨らんじゃって…」
通常よりも“成長しすぎてしまった”レタス。その大きさは、倍近くになっていました。
由井雅也さん
「これだともう、(中身が)ガチガチなんで」
レタスが成長しすぎたため身が詰まり、葉っぱが堅くなってしまったといいます。
由井雅也さん
「梅雨明けが早かったというのが一番デカいと思うんですよね」
関東甲信地方の今年の梅雨明けは、平年より22日も早い6月27日でした。農家付近では、6月末から猛暑日が続出しました。さらにその後、雨も降ったため、急激に成長が進んだということです。
収穫が追いつかないほどレタスが成長してしまったため、農家では大量のレタスを畑に廃棄していました。
由井雅也さん
「全部捨てたやつですね。時間たって(畑でレタスが)腐るのを待つしかないので…」
破棄したレタスの数は、1日で約4000玉。他の農家でもレタスの収穫量が急増し、需要と供給のバランスが崩れたため、値崩れを起こしたというのです。
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卸売価格を通常に近づけるために廃棄されているレタスですが、余ったレタスを有効活用するため、JA長野八ヶ岳ではある取り組みも行われています。
JA長野八ヶ岳 農業部企画振興課 篠原康彦課長
「(高齢者の)養護施設だとか、少しずつ配って」
他にも、カットレタスの加工業者に買い取ってもらうなどしているということです。