「アンモニア」火力発電 最新技術の現場は
2050年のカーボンニュートラルを目指して、燃やしても二酸化炭素を出さない「アンモニア」に大きな期待が寄せられています。最新技術を取材しました。
大手機械メーカーのIHI。ここで実験が進められているのは、火力発電で「アンモニア」を燃料に使い、二酸化炭素の排出量を半分以下に抑える技術です。
2000キロワットの発電設備の中で、天然ガスにアンモニアを60%まで混ぜて燃やし、発電することに成功しています。アンモニアを混ぜることで、発電量はそのままに、二酸化炭素の排出量を従来より6割も減らすことができます。
IHI 技術開発本部 主任研究員・内田正宏さん「アンモニアというものが燃料として認識されていなかった理由として、非常に燃焼しにくいという理由があります。それを上手く燃やす技術を作っています」
今後2年程度で、混ぜるアンモニアの比率を100%まで高める方針で、将来的にはこの技術を使い、自家発電などでの実用化を目指しているということです。
現在実験段階にある燃料アンモニアですが、政府は2030年に年間300万トン導入する目標を示しています。
一方で、実用化に向けては今後、コスト低減のほか、アンモニアを「作る」際に出てしまう二酸化炭素を減らすことなどが課題となっています。