厳しい“値上げの春”に… 食料品に首都高、新幹線も…
4月1日からは、食料品や生活用品、さらに高速道路の料金などさまざまなものが値上がりします。さらに、新型コロナウイルスの影響に加え、ウクライナ情勢や円安が家計に追い打ちをかけています。
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東京・中央区にあるからあげの専門店「くにちゃんずキッチン」では、からあげに欠かせない鶏肉は現在、主にブラジル産のものを使用しているといいます。
くにちゃんずキッチン 丸山邦夫店主
「食材(の値段)がもろに上がっていますね。(仕入れ値が)1.5倍から2倍ぐらいに上がっていますので」
去年の4月ごろから仕入れ価格が高騰。それでも値段は据え置きで頑張ってきたといいますが、今後、ウクライナ侵攻や円安などの影響も懸念していました。
丸山店主
「今のままでいきますと、成り立っていかなくなってきますので、ちょっと値上げの方はそろそろやってみようかなと」
コロナ禍で売り上げが落ちたこともあり、来月からの値上げを検討していると話します。
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4月1日からは多くの食品も値上げとなります。
日清オイリオグループは、食用油を来月の納品分から40円以上、値上げすると発表。主原料となる大豆などのコストの大幅な上昇などが理由だとしています。
また、カゴメも原材料費や物流費の高騰などにより、トマトケチャップなど100品目以上を値上げします。東洋水産も焼きそばなどの商品が最大で14パーセントほど値上げとなります。
厳しい値上げの春に、東京・墨田区にあるスーパーイズミの五味社長は「値上げすると売る方も大変だし、お客さんの方も大変だから、なるべくあげたくない気持ちでいるんですけど」と、頭を痛めていました。
買い物客
「家計は苦しくなりますよね、どうしてもね、毎日使う物ですからね」
「(子どもが)チーズが大好物なので、値上げ前にとりあえずいっぱい買っといてって感じですね」
値上げの波は薬局にも及んでいます。東京・調布市にあるケンコ薬局の店頭には、ティッシュ、トイレットペーパーが数多く積まれていました。
日本製紙クレシアでは、ティッシュやトイレットペーパーなど、来月の出荷分から10パーセント以上の値上げになります。
こうした影響で――
ケンコ薬局 加藤健一店長
「きょう、あしたですね、納品は特に(手)厚くなっています。普段の2倍か3倍ぐらいですかね」
保管しているという倉庫には、値上げ前に入荷したトイレットペーパーなどの段ボールが積まれていました。来月以降については、様子を見ながら値上げ幅を検討していくとしています。
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値上げは首都高速道路でも行われます。
これまで首都高では、35.7キロを超える走行距離で、料金は上限1320円でしたが、4月1日からは55キロを超える走行距離で上限1950円となります。
例えば、さいたまスーパーアリーナの近くにある埼玉・新都心から、ディズニーランドがある千葉・浦安まで行く場合、首都高だけで行くと料金は上限1320円、対して、首都高と外環道も使った場合は1950円と、首都高だけのルートの方が630円安く済んでいました。
そのため、料金の安い首都高に交通量が集中し、渋滞につながっていたといいます。4月1日から走行距離が55キロを超える場合は上限金額を1950円まで引き上げることで、首都高以外の高速道路との料金差を縮めることで渋滞を減らそうというのです。
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またJR東日本などは、4月1日から新幹線や一部の特急列車の指定席料金を改定。特に利用者が多い、年末年始やゴールデンウイークの時期を新たに最繁忙期として設定。通常期より400円高くなります。