ガソリン価格が上昇 2年半ぶりの高値に…
ガソリンの値段の上昇が止まりません。今週、レギュラーガソリンの店頭価格の全国平均は2年半ぶりの高値を付けました。その原因と影響について取材しました。
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都内にあるポリ袋の製造メーカー。
ジャパックス・家庭用営業部 小出一博さん
「こちらが弊社で売れ筋の手つきタイプのゴミ袋となります」
コロナ前と比べて、売り上げは2倍ほどに伸びているといいます。需要が拡大すればするほど、原材料がより必要になりますが…
ジャパックス・家庭用営業部 小出一博さん
「原材料の方も1割から2割(値段が)アップしている状況です」
この会社が扱うほぼすべての商品にかかわる「石油」の価格が今年に入って高止まりしているといいます。
ジャパックス・家庭用営業部 小出一博さん
「この業界だと何銭という形で商売をしているので、(今後商品が)値上げになってしまう可能性があります」
ガソリンの値上がりも止まりません。
利用客
「何でか分からないけど急にあがったなと」
利用客
「高止まり、もう少し下がってもらえればありがたい」
つい半年ほど前まで130円代前半だったレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は、3月末から150円台を一度も下回らず。今週月曜日(5月24日)には152.6円まで値上がり、実に2年半ぶりの高値となっているのです。
石油情報センターは値上げの理由について、「ワクチンが普及することで経済が回復し、ガソリンの需要が戻ることへの期待感」などをあげています。
お客さんは、少しでも安い店を探し、給油量を減らすなど工夫。
利用客
「20リッター(ずつ)こまめに入れている。(価格が安い)セルフの方で安くあげたい」
店側も、少しでも安く提供できるよう工夫。
シンエネ八幡山SS 佐藤大所長
「自社のプリペイドカードとか、割引券を発行したりとか、(ガソリンが)高い中でもなるべく安くできるよう努力している」
しかし、影響は身近なところにも広がっています。
28日午前、都内に到着した高速バス。トランクの中にあったのは、茨城県の「産地直送野菜」です。
その後スーパーの車に積み込まれ…、売り場に並べられました。バスの空きスペースを使うことで配送コストをおさえられるため、新鮮な野菜を通常より安く販売することが可能になります。
この事業を行う茨城県のバス会社は軽油を使用していますが、ガソリン同様に値上がりしているといいます。
茨城交通 任田正史社長
「油の値上がりは我々にはコントロールできないので、苦しいのは苦しいですね。できるだけ燃費よく走りましょうというくらいしか“対策”はなくて」
千葉・市川市の運送会社も、1円でも安く給油できるところを探し、高速道路を使わないなど“対策”をしているといいます。しかし、多くのトラックを抱えているため…
三芳エキスプレス 生沼芳則代表取締役
「月で100万円ちょっとの経費アップになっています。大打撃ですね」
日々の努力だけでは値上がり分を受け止めきれず…
三芳エキスプレス 生沼芳則代表取締役
「車両の代替え(買い替え)時期を少し延ばすとか、そういうことも検討している」
いつまでガソリンの高騰は続くのでしょうか。石油情報センターは、「今後の価格の動向を予測することは難しい」としています。