宣伝だけじゃない 企業公式SNSが発信
■救済措置や食べ方まで 公式SNSが発信
新商品PRなどに活用されているSNSの企業公式アカウント。PRだけではなく「アフターサービス」の投稿が、いま注目されています。
■失敗を撲滅できないか…シャープの“救済キャンペーン”
“空気清浄機のフィルター、ビニールをつけたままの状態で使っていた人だけ、掃除機と、なぜか新しい空気清浄機までもらえるチャンスが!”
2021年5月下旬、電機メーカー大手のシャープがツイッター上で行ったキャンペーンが話題になりました。
空気清浄機は品質保持のため、内部のフィルターをビニールで包装した状態で出荷されます。このビニールに気づかず、「ずっとビニールをつけたまま使っていた」という失敗談が、しばしば笑い話としてネット上などで話題になっています。
「この失敗談をなんとか撲滅できないか」と、考案されたのがこのキャンペーン。6日間限定で行われたキャンペーンには、およそ300件の応募が寄せられました。
このように商品の購入を呼びかけるのではなく、購入した後の客に向けて企業が情報発信する取り組みは他にも。
■目からうろこ!チキンの「おいしい食べ方」
ケンタッキーフライドチキンが2021年5月28日にツイートしたのは、オリジナルチキンの「おいしい食べ方」。
「リブ(あばら)」や「サイ(腰)」などの部位ごとに違う味の特徴や、おいしい食べ方をイラストつけで解説しています。
この「公式の食べ方」、以前から公表はしていたのですが、限定商品の販売に合わせて先月、ツイッターに再投稿したところ多くの反響がありました。
■ガラス容器のプリンでも…意外な「公式の食べ方」
「公式の食べ方」はこのスイーツでも。
老舗洋菓子メーカーの「モロゾフ」ではおよそ50年前から、カスタードプリンをガラス容器で販売してきました。
プリンの公式の食べ方というのが、「ガラスの容器から皿に出して食べる」こと。ひっくり返して皿に出すことで、プリン全体にカラメルソースがからみます。
モロゾフでは、商品の企画会議などでは必ず皿に出して試食し、生地とカラメルの調和を確認してきました。過去には「お皿に出したモロゾフのプリン」の写真や動画を投稿した人を対象にプレゼントキャンペーンも実施して、公式の食べ方を宣伝。
「初めて(皿に)出した」、「難しい」、「おいしさが倍増した」など様々な反応があったといいます。
■SNSの企業公式アカウントアフターサービスの場に
SNSの運用に関してケンタッキーの担当者は、「宣伝だけがあふれているツールにならないように」と話します。
これまで、新商品のPRや新規顧客の獲得などに多く活用されてきたSNSの企業公式アカウント。いま、商品を購入した客に対して、製品を正しく使ったり、おいしく食べてもらったりするために、「アフターサービスを提供する場」としての活用が広がっています。