トヨタ社長 24hレースチームに敬意
「脱炭素」と「雇用」を両立させるため、新たな選択肢として模索されている「水素エンジン車」。24時間耐久レースで自らレーサーとして、「水素エンジン車」を運転したトヨタ自動車の豊田章男社長は、レース後の会見でメカニックやエンジニアなども含めたチーム全体に敬意を表しました。
トヨタ自動車・豊田社長「ぜひ皆様方に応援いただきたいのが、(日本の耐久レースでは)ST-Q(開発車両)クラスは表彰台に立たせてあげることはできません。
ニュルブルクリンク(ドイツのサーキット)の24時間レースではいろんな開発車両が入っていますし、あの道でクルマを鍛えて、各メーカーがいいクルマをつくっていくというものに対して、“プロクラス”という、日本のスーパー耐久でいうSTーQ(開発車両)クラスもしっかりと(ニュルブルクリンクの)表彰台に立てるんですね。
開発車両だということですけれども、それを支えているメカニック、エンジニア、そしていろんな多くのパートナーたち、彼ら(ドライバー)が表彰台に立つことで報われるという点もあるというふうに思います」
開発車でも表彰台に自らもレーサーとして参加した豊田社長はこのように述べ、24時間耐久レースに世界で初めて「水素エンジン車」で参戦し、走り抜いたドライバー、それを支えたチームのメンバーをたたえました。
また、チームのドライバーとして「水素エンジン車」の走りをつないだレーサーの小林可夢偉さんは今回、水素エンジン車で完走したことは「技術の開発では必要で重要なポイント」とし、水素のクルマが世の中に出回った時には、今回の挑戦が役に立ったということではないかと、このレースの意義を語りました。
「水素エンジン車」で24時間走り続けるというあえて過酷な状況でデータをとることに挑んだ耐久レース。今回のデータを参考に、まずはトラックやバスなどの商用車向けに水素エンジン車の開発を進める方針です。