遊び心ひとつで 気分も上がるマスク
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、長引くマスク生活。楽しく乗り切るためのユニークなマスクが増えています。
■和紙で彩る「ハレの日のマスク」
結婚式や発表会など「時別な日」には、マスクも服装に合った華やかなマスクで楽しんでほしい。そんな思いがこめられているのが「折り紙マスク」です。
折り目には箔押しが施されており、見た目は華やかな印象。それでいて特殊な蛇腹折りになっているので、コンパクトに折りたためることも特徴です。1枚の和紙からできているこのマスクは、東京のデザイン会社「PAPER PARADE」が販売しています。
製作のきっかけは、もともと取引のあった和紙の産地から、「新型コロナの影響で和紙の発注が激減した」と相談を受けたことでした。コロナ禍でも、デザイン会社として何か社会に貢献できることはないかと模索していたときに、和紙の産地からの声を聞いたことで、TPOに合わせたマスクを意識した「折り紙マスク」が考えられました。
■和紙で作られたマスクの反響は?
2020年11月に発売。越前和紙、土佐和紙、美濃和紙が使われました。
購入した客からは、「和紙で作られているので和装に合うねと、周囲の人から褒められた」など大きな反響があったといいます。和紙の産地からも、「使ってもらったことで勇気が出た」と、コロナ禍での支え合いを喜ばれたといいます。
この和紙でできた「折り紙マスク」はイタリアのデザインコンペティションのコロナにまつわるデザイン部門で、シルバー賞を受賞するなど世界でも評価されています。
ただ、「折り紙マスク」は、飛沫の拡散などの安全性が確認されておらず、使用する際には、不織布のマスクの上につけるなど、TPOに合わせて、アクセサリーのように着用してほしいということです。
■世界初?の食べられるマスク
日常を楽しむためのマスクはほかにも。
直径12cmのメロンパンに、付属のひもを通してできあがるのは、メロンパンでできた「マスクパン」です。耳にかけて着用できるようひもを通した、食べられるマスクなんです。
販売する「悟空のきもち THE LABO」のメンバーである、福岡や沖縄の学生3人が「大好きなメロンパンの香りをずっと嗅いでいたい」と、マスクのようにひもを通したことがきっかけでした。
2021年6月に発売したところ、瞬く間に完売!予想を大きく上回り、初日でなんと黒字化してしまったというのです。SNSやメディアでも話題となり、今では2か月待ちという人気ぶりです。最近では、アメリカやドイツなど20か国以上から問い合わせがきているということです。
さらに「マスクパン」の大きな特徴は、なんと第三者機関による製品性能試験をクリアしているということ。マスクとしての性能も確認されているのです!
しかし、外出時の使用は、メロンパンの外側にウイルスが付着したり、鳥に狙われたりするので、室内でメロンパンの香りを楽しみながら、口元から少しずつ食べてほしい、ということです。
■利益は違う形で還元
この「マスクパン」の利益は子ども時代の夢のひとつだったというツリーハウスを作る費用に使われています。場所は福岡県の無人島。島に資材などを持ち込み、地元の子どもたちに来てもらいたいと鋭意制作中。
東京都に4回目の緊急事態宣言が発出されるなど、まだまだ見通せないマスクを外せる生活。ですが、ちょっとした遊び心で、マスク生活も豊かに楽しめるかもしれません。