シングルマザー「継続支援を」10万円給付
20日、18歳以下への10万円相当の給付などを盛り込んだ補正予算が成立し、一部の自治体で給付が始まりました。しかし、生活に苦しむ家庭を支援している団体からは、政府の継続的な支援を求める声があがっています。
22日朝、大阪・松原市在住の人に見せてもらった通帳には「臨時給付金10万円」が振り込まれていました。
給付を受けた松原市民
「ありがたいです」
クーポンを活用した配布の仕方や、960万円の所得制限が議論を呼んだ今回の「10万円相当の給付」。20日に財源となる補正予算が成立し、一部の自治体で給付が始まりました。
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都内に住む、4歳と2歳の男の子を育てるシングルマザーの女性を取材しました。
――いつも帰りはこれくらい?
4歳と2歳の男の子を育てるシングルマザー
「ほとんどこの感じです、遅い。(午後)7時前になりますね」
子どもたちと囲む食卓は、「弁当買うと値段が高くつくので、極力節約している」と話します。また、遊びたい盛りの子どもたちですが、新型コロナウイルスの影響で休まざるを得ない日が増えたということです。
4歳と2歳の男の子を育てるシングルマザー
「元気で走りまわっただけで37.5度(の熱が)出て、『お迎えお願いします。明日お休みしてください』って。(仕事を休むと)1日1万円くらい消えるので」
今回の「給付金」は1回きりです。夫婦共働きで、高収入な世帯が対象となる一方、夫婦どちらかが年収960万円を超えていた場合、給付されないなど“公平性”も議論になりました。
正社員として働いていますが、子ども2人分の給付“20万円”はすぐになくなってしまうといいます。
4歳と2歳の男の子を育てるシングルマザー
「このときだけじゃなくて、この先も厳しい状況。子供たちのために、継続して支援、給付をしてほしい」
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子どもの成長を食で支えてきた現場からは――
親子「こんばんは~」
食堂スタッフ「おかえり~」
ともしびatだんだん・近藤博子代表は、「給食以外、食事を食べられない子どもがいる」と聞き、10年ボランティアで活動を続けてきましたが、「10年やっていても子どもの環境とか、お母さんたちの環境は全く変わっていないと思う」と話し、継続した政府の支援を望んでいます。
ともしびatだんだん・近藤博子代表
「ばんそうこう的にはいいと思うんですけど、対症療法でしかないし、女性の一人親家庭の働き方とか、教育費を限りなくゼロにするとか(してほしい)」
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“一度きりより、継続的な支援を”という声は、食品や生活用品を無料で配布して生活を支える、さいたま市の「なないろフードパントリー」からも聞かれました。
利用する人
「買い物の手間とかも減ったり、食費とかも浮いたりするので、すごい助かってます」
しかし、“10万円給付”については――
利用する人
「線引きの方が政府の方ね、ピントがちょっとずれてるのかな。もうちょっと下の方の目線で見ていただけたら違うかな」
利用する人
「児童扶養手当とか、やっぱり正直もうちょっとほしいなとか」
配り方ばかりが注目されましたが、課題は「本当に苦しい人たちに十分な支援なのか」ということです。
24日には、過去最大の総額107兆6000億円程度となる来年度予算案が閣議決定され、政府の判断で新型コロナ対策に使用できる「予備費」5兆円が計上されます。
現場の声を丁寧に聞き、困っている人を継続的に支える予算の使い方が求められています。