今年の夏の観光動向は?売上高がコロナ禍前の水準に 外国人旅行者とのミスマッチも
日銀秋田支店が夏場の観光の動向について県内の事業者にアンケートしたところ、売上高がコロナ禍前の水準に戻りつつあることが分かりました。
ただ、全国の中で低い水準にとどまっている外国人旅行者を増やすためには、複合的な情報発信を進める必要があるということです。
日銀秋田支店は、県内の宿泊施設・飲食店・観光施設など55か所にアンケートを行い、夏場の観光動向をまとめました。
それによりますと、今年の夏の売上高がコロナ禍前、2019年の夏の水準に回復したと答えた事業者が約7割で、去年の5割台から改善したことが分かりました。
ただ、コロナ禍を経て少人数の旅行が定着したこともあり、観光客の数は去年と大きく変わっていません。
日銀秋田支店 片桐大地 支店長
「付加価値の向上を図りつつ、客単価をいかに確保していけるかということになります。そうした事業者の取り組みが、ひいては生産者や協力企業、あるいは従業員の所得の向上にもつながっていきます」
人数を増やすためには、外国人観光客の呼び込みも必要ですが、観光庁によりますと、今年6月までの県内に宿泊した外国人の数は延べ4万人ほどで、都道府県別では46位でした。
県内では、英語、中国語、それに韓国語などを使ってホームページでPRしている事業者が大半ですが、旅行客はSNSや動画サイトで秋田の観光地の情報を得るケースが多いという統計もあり、ミスマッチも生じています。
日銀秋田支店は、海外での知名度向上のためには、行政や業界団体を含めて、需要に応じたメディアで複合的な情報発信を進める必要があると分析しています。