新たなカタチ…アパレル店で「カフェ併設店舗」 次々とオープンするワケ
11日、東京・銀座にアパレル大手「H&M」の新店舗がオープンしました。こだわりの豆を使ったコーヒーを楽しめるカフェを併設しています。ここ数年、アパレル大手ではカフェを併設した実店舗を運営する動きがみられます。来店客の反応も上々の「カフェ併設店舗」が続々とオープンするワケを探ります。
◇
11日午後、東京・銀座では平日にもかかわらず、長い行列ができていました。行列の先にあったのは、アパレル大手「H&M」の新店舗、H&M銀座並木通りです。オープニングのテープカットの後、続々と客が店に入る中、混み合っていた先にあったのは洋服ではなく…コーヒーショップです。
店舗スタッフ
「お待たせしました。ヘーゼルナッツラテです」
来店客
「おいしいです」
「アパレルのカフェって最近はやってるから、おしゃれな感じですてきだなと」
アパレル店ですが、こだわりの豆を使ったオーガニックなコーヒーを楽しめるといいます。なぜ、「アパレル店にコーヒー」なのでしょうか?
H&M PRコミュニケーション・マネージャー 室井麻希さん
「コロナ禍でオンラインの需要は非常に増えてきたんですけれど、この“実店舗でしかできないこと”って、まだまだたくさんあると思っています」
買い物だけでなくコーヒーも提供することで、店で過ごす時間を充実させたいとしています。
◇
アパレル店内のカフェは、他の企業でもありました。「ユニクロ」では2年前の2021年、同じく銀座の店舗に併設したカフェをオープンしています。
ユニクロ銀座店スタッフ
「ホットコーヒーです」
洋服の棚のすぐ奥にドリンクを購入できるカウンターがあり、買い物のついでに気軽にコーヒーを買うことができます。コーヒーのお値段は1杯200円。ユニクロらしく、本格的なコーヒーをお手頃価格で楽しめるということです。
また「ギャップ」では、他社に先駆けて3年前の2020年から店舗にカフェを併設。Gapストア新宿フラッグス店(東京都新宿区)では洋服と同じフロアにカフェがあり、泡だったミルクの上にロゴマークを描く“ラテアート”にこだわったカフェラテのほか、アメリカのドーナツも楽しめるということです。
◇
それぞれの“ブランドらしさ”をいかしたメニューで、カフェを併設するアパレル店。訪れた客の反応は…
来店客
「(新型コロナが)落ち着いてきてから、お店に行ってみようかな…って感じで、外に出る機会がとても増えました」
「(服を買うのは)3倍くらいに増えました。めっちゃ増えました」
新型コロナウイルスの感染拡大も落ち着き、来店客は“お出かけの洋服”を買い求めていました。
経産省の「電子商取引に関する市場調査」によると、アパレルの「オンラインでの購入」は全体の約2割(2021年)にとどまっていて、洋服などは「店での購入」が依然として多いということです。そのため、客に“店へ来てもらうこと”が重要になっていました。
来店のきっかけ作りとして、カフェが併設されていたのです。