元派遣社員が10年近く“不正”持ち出し 約900万件の個人情報…一部は「名簿業者」に NTT西日本子会社
約900万件の個人情報が流出したとして、NTT西日本の子会社が17日に緊急会見を開きました。元派遣社員が10年近く不正に持ち出し、その一部は名簿業者にわたったといいます。街の人に話を聞くと、多くの人が「見知らぬ番号からの勧誘電話」を経験していました。中には電話番号しか知らず、名前を聞き出そうとするものまであったといいます。
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17日午後、NTT西日本の子会社「NTTビジネスソリューションズ」が緊急会見を開きました。
NTTビジネスソリューションズ 担当者
「多くの皆様に大きなご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」
謝罪の理由は、大規模な個人情報の流出でした。コールセンターシステムの保守業務を行っていた元派遣社員が、顧客の個人情報、約900万件を不正に流出させたというのです。
NTTビジネスソリューションズ 担当者
「きっかけはこの1年半前に相談いただいた、お客様のところへ“勧誘の電話”があったと。『自分の情報がもれているのではないか』と相談があった」
「その後の捜査協力、社内の情報との突合(とつごう)によって、この事案については(今年7月に)判明した」
情報提供で発覚した不正流出は、警察の捜査も進んでいます。流出したのは59の企業や自治体などがもつ約900万件の個人情報です。中には、福岡県で自動車税を納める約14万人分の情報も含まれるといいます。
元派遣社員はUSBメモリーを使い、2013年7月ごろから今年1月にかけて、10年近く情報を不正に持ち出していたということです。氏名、住所、電話番号のほか、81件のクレジットカード情報も含まれているといいます。
さらに、情報の一部が名簿業者に流出していたことが確認されたというのです。
個人情報が悪用されるケースはどれだけあるのか。17日夜、街で話を聞きました。
パート従業員(50代)
「『外壁塗装しませんか?』とか『お墓を買いませんか?』とか、セールス関係の電話がすごく来るので不思議。なんでうちの電話番号を知っているのかなと。すごく怖いと思います」
会社員(30代)
「携帯電話でもショートメッセージとかで(知らない番号から)連絡が来る」
“見知らぬ番号からの勧誘電話”は、多くの人が経験していました。中には、電話番号しかわからないのか、名前を聞き出そうとするものまであったといいます。
会社員(20代)
「知らない不動産業者から『家(の購入)を検討しているとのことだが、名前をお聞かせいただいてよろしいですか?』と。その情報を使って何されるのかって考えたら怖い」
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専門家によると、今回の不正流出は“国内でもトップ5に入る件数”だといいます。名簿業者に売られた個人情報はどうなってしまうのでしょうか。
情報セキュリティーに詳しい三上洋氏
「いったん流れてしまうと『取り戻す』『流出を阻止する』ということがとても難しくなってしまう。そして、さらに他の名簿業者でも転売が行われる可能性がある」
もし今、不審な電話がかかってきたらどうすればいいのか。
情報セキュリティーに詳しい三上洋氏
「まず、電話の場合は着信拒否をするのが最初です。それでも色々な番号からかかってくるようだったら、どこからこの情報を得たかと聞くことは意味があるのかもしれません」
(10月17日放送『news zero』より)