旅先で「おてつだい」して稼ぐ! 急な出費にも対応…“あったらいいな”が「人手不足」解消のヒントに?
旅行先のホテルなどで、仕事を手伝うことで給料をもらえるサービスが注目されています。また、急な出費にも対応できるシステムを導入し、求人で集まる人数を2割ほどアップさせた会社もあります。普段感じる“あったらいいな”というものが、深刻化する人手不足に陥っている業界を救う手立てとなるかもしれません。
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最近、従業員を募集する張り紙を街でよく見かけるようになりました。
「時給1500円」に「賄い」と「交通費」をつけて人を募集する店に話を聞きました。
店主
「2月中は無反応。来週からほかの媒体で募集出すんですが、確保できなければ廃業せざるをえない」
街の人たちからも次のような声が聞かれました。
建設業(50代)
「人手がいなくなっちゃって、営業続けていくには難しくなった」
会社員(20代)
「配達が遅かったことあります。指定日に届かなかった」
日常生活にも影響が出ている人手不足。また、訪日外国人増加などの影響で、宿泊業の新規求人が大きく増加し、人材確保に苦労している状況だといいます。
※今年1月の新規求人の数(厚生労働省による)
宿泊業・飲食サービス業27.0%増加(前年同月比)
宿泊業の人手不足が深刻化する中、事業者を救うかもしれないシステムがあります。
新潟・妙高市で観光を楽しむ大学4年生の高橋彩華さん(22)。宿泊先の部屋に戻り、ホテルのロビーで再び会うと和服姿になっていました。そのまま向かった先でタイムカードを切りました。
高橋彩華さん
「今からフロント(業務)です」
「ここの白ビールおいしいので」と宿泊客に話す高橋さん。実は普通の観光客ではなく、宿泊先のホテルで仕事もしているのです。
高橋さんが利用したのは「おてつたび」というサービスです。旅先で“おてつだい”をすることで、給料をもらいながら、あいた時間で観光も楽しめるのです。宿泊費も無料です。
ホテル太閤・長田優作マネージャー
「『おてつたび』だと1日2日のピンポイント(募集)でも応募が来てくれますので、使い勝手がよかった」
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生活する上で欠かせない給料については、次のような声も聞かれます。
アパレル業(20代)
「急に旅行決まった時とかに、先に(給料)もらえたらいいな」
学生(20代)
「欲しいものがあると、今(お金が)あったらいいのにな」
急な出費にも対応できるシステムを導入し、求人で集まる人数を2割ほどアップさせた会社もあります。
共栄セキュリティーサービス 佐藤貞治取締役
「働いた次の日の朝には給料が振り込まれるので、就職する方にとっては、お金を早くもらえる」
給料を好きな時に引き出せるシステムです。専用のカードに対応したATMから、働いた日数分の金額を上限として、自由に給料を引き出せるといいます。
共栄セキュリティーサービス 佐藤貞治取締役
「給料の支払い方法はすごく募集のうたい文句になる。働きやすい環境をつくっていく有意義なシステムだと思う」
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深刻化する人手不足。普段感じる“あったらいいな”というものが、解消のヒントになるのかもしれません。