来月から節電要請“電力ひっ迫”なぜ今?“老朽”火力発電の再稼働も
厳しい暑さが続く中、政府は来月1日から7年ぶりに全国で節電を要請します。電力の供給を支える、現場を取材しました。藤吉有咲記者の報告です。
先週、都内のショッピングモール。目印となるロゴもあえて消灯。館内もトップライトなど一部の照明を消しています。
イオンモールむさし村山・木庭次郎マネージャー「(電力需給が)極めて厳しい状況にあると示されておりますので、館内外の照明を一部消灯させていただき節電に努めていきたい」
エアコンなどで需要が増える夏。東京電力管内などで電力がひっ迫する可能性があるとして、政府は来月1日から3か月間の節電を要請しています。
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なぜ今、電力がひっ迫するのか…。その理由のひとつが、発電の7割以上をしめる火力発電所の減少です。
脱炭素や老朽化などを理由にこの5年間で大型火力4基分以上の供給力が減りました。
JERA姉崎火力発電所も、老朽化のため去年すべて停止。
姉崎火力発電所・齊藤喜浩当直長「このバルブ、ご覧の通りさびているんですけれども、老朽化によってなかなかきれいにできない」
いたるところにさびが。しかし、この発電所、政府の要請で、来月から一部の再稼働が決まりました。これにより、最大およそ170万世帯分の電力を供給できるといいますが、再稼働には負担も…。
姉崎火力発電所・亀井宏映所長「運転を開始してから40年以上経過しまして、稼働するのに非常に点検の費用がかかる」
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こうした発電所も動かす綱渡りの状況。さらに、経済産業省の幹部は「ウクライナ侵攻を続けるロシアから、いつ発電燃料の供給が途絶えるかも分からない」と危機感を示します。
老朽火力の発電にも頼らざるを得ないこの夏。無理のない範囲で節電を積み重ねることが求められています。