「クリーンエネルギー戦略」中間整理取りまとめ“今後10年間で官民150兆円の投資必要”
経済産業省は、脱炭素社会の実現に向けて、政府が掲げる新たな戦略「クリーンエネルギー戦略」の中間整理を取りまとめました。今後10年間に官民あわせて150兆円の投資が必要だと試算しています。
経済産業省が示した中間整理では、火力発電の燃料として期待され、二酸化炭素を排出しない水素やアンモニアなどのクリーンエネルギーの導入拡大に向けた支援制度を検討するとし、供給網などの整備を急ぐとしています。
現時点で水素の価格は、都市ガスなどの既存燃料と比べ、最大で約12倍と高く、2030年までに現状の3分の1に引き下げる目標を掲げています。
一方、原子力については、震災後は新規建設がなくなり、技術や人材の維持が喫緊の課題としながらも、今後の方向性については、新型炉の研究開発や国際連携といった程度の記載にとどめられ、脱炭素化に向けどのように活用していくか、具体的な内容には踏み込んでいません。
また、脱炭素関連の投資は今後10年間で官民あわせて150兆円が必要になると試算していて、萩生田経産相は「世界規模で先に新しい市場をつくったところが勝ち残る。先行投資者優位の大競争がすでに始まっている」と話し、今後、さらに議論の上、年内をメドに最終報告書をまとめる方針です。