【単独】社長が語る「資さんうどん」のこれから すかいらーくHD入りの狙いは「資さんらしさを守りながらの店舗拡大」 1976年に戸畑区に1号店→72店舗→この冬に関東へ→海外も視野 北九州市
こちらは「肉ごぼ天うどん」。北九州市に本店を置く「資(すけ)さんうどん」の人気メニューです。この「資さんうどん」の運営会社が買収されることが9月、発表されました。慣れ親しんだ味がなくなるのではと心配の声が上がる中、資さんのトップがFBSの単独インタビューに応じました。
北九州市を中心に県内外に店を構える資さんうどんの味に、訪れた人は舌つづみを打っていました。
■訪れた人
「だしの感じ、うどんの硬さもちょうどいい。」
「飲み終わりで来て、(体に)しみますね。なくてはならない存在ですね。」
もちもちした食感の麺に、昆布、シイタケなどからとった濃いめのだしが特徴のうどん。
■店員
「お待たせしました。肉ごぼ天うどんになります。」
中でも「肉ごぼ天うどん」は1日に5000食以上を売り上げる、人気ナンバーワンメニューです。
そんな北九州発のうどん店を巡り、大きな動きがありました。ガストなどファミリーレストランを展開する、すかいらーくホールディングスによる買収が発表されたのです。買収にかかる費用は240億円で、10月にすべての株式を取得し、資さんは完全子会社となります。
資さんうどんはどうなってしまうのか。FBSは資さんの社長を訪ねました。
■川崎直人記者
「資さんうどんの名前はどうなるのかという疑問が一番に湧きました。」
■資さん・佐藤崇史社長
「資さんうどんという名前は変わりませんし、(店が)なくなってしまうのではないかという不安は一切ありませんので、そこはご安心いただければ。」
屋号は変えず、資さんうどんのまま経営していくといいます。
資さんは1976年、戸畑区に1号店をオープンしました。その後、店舗拡大を続けて関西などにも進出し、今では72店舗にまで増えました。
半世紀近い歴史のある資さんうどんの買収を受け、SNSではこのような投稿がありました。
「味変わらないといいけど。」
「頼むから味だけは変えないでくれ。」
常連客からも心配の声が上がっていました。
■常連客
「この味を守って値段を上げないように、よろしくお願いします。」
「24時間(営業)でやっている店もあまりないじゃないですか。コストカットで(24時間営業を)やめますとなったら、さみしいなと思いますね。」
そんな多くの人からの“願い”に佐藤社長は。
■佐藤社長
「50年近くで何度か進化をさせながら、よりおいしい味を追求してきた資さんの味、味だけではなくて、資さんの温かいサービス、感じのいい店、こういったものが一切、変わってはいけないと思っていますので、そこを変えるつもりは全くありません。」
創業者が語っていたこと
原材料価格の高騰や労働力不足、人件費の上昇など、飲食業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。すかいらーくホールディングスの傘下に入った狙いは、“資さんらしさ”を守りながら、さらなる店舗拡大につなげるためだと説明します。
■佐藤社長
「全国に店を広げていく難易度は、数倍も数十倍も高くなっていると思っています。その中で、すかいらーくグループには豊富な経営資源があり、例えば全国3000店舗の店舗網や出店の立地開発力、10個も工場があり、サプライチェーンも非常に充実しています。成功確度というか、これから拡大していく中で、全国の皆さんに資さんうどんを味わっていただくためにというところで、やりやすくなっていくと思っています。」
資さんうどんは、冬には関東への進出を控えています。
資さんうどんの創業者は以前、FBSの番組でその原点について語っていました。
■資さんうどん創業者 故・大西章資(しょうじ)さん
「お客さんがない商売はありえないわけです。ですから、お客さんが納得して 満足して、これだったらという商品を作り出さないと絶対ダメなんですね。」
■佐藤社長
「創業者の大西は、お客様に喜んでいただくことを常に考えて、そういう店作りを心がけてきたというのがあるので、代々引き継いできたバトンだと思っています。そのバトンを今後も持ち続けて、一店舗一店舗で最高の一杯、最高のサービスを提供し続けていきたいと思っています。」
地元、北九州で愛され続けてきたうどん。今後、海外への進出も視野にその味をより多くの人に届けていきたいとしています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年9月23日午後5時すぎ放送