“無抵抗”の一家殺害し、遺体を放置 “住民虐殺”の街で…
住民虐殺があったとされるウクライナのブチャでは、ロシア軍の撤退から2週間以上経っても新たな遺体が見つかっています。取材を進めると、無抵抗の家族が殺害され、長期間放置されるなど、“残忍な実態”が次々と明らかになってきました。
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日本テレビが向かったのは、ロシア軍撤退後、多くの民間人の遺体が見つかっているキーウ(キエフ)近郊の町・ブチャです。
記者
「ロシア軍の弾薬の箱ですね」
ロシア軍が占拠し拠点にしていた住宅には、ロシア軍が使っていた弾薬の箱やヘルメットなどが残されていました。さらに、周辺には焼け焦げた多くの車が放置され、そこには、ロシア軍を表す「V」のマークがいくつも書かれていました。
記者
「あちらの家に住んでいた一家は、ロシア軍によって殺害され、遺体はこの場所に長期間放置されていたということです」
ロシア側は大量虐殺を否定し「フェイク」だとしていますが、住民は「無抵抗の民間人が殺害された」と話します。
ブチャの住民
「彼らは遺体を縛って置いていた。こんなこと…ひどすぎる」
住民によると、ロシア軍に殺害されたのは、10歳と12歳の子供2人を含む一家6人ということです。
ブチャの住民
「ロシア兵は遺体に地雷を仕掛けて、近づかないようにしていた」
そして、しばらく放置した後、遺体に火をつけたということです。
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ブチャ中心部の教会には、集団墓地が作られました。
アンドリー・ハラビン司祭
「90%近くは射殺されていました。偶然ではなく、意図的に殺されたのだと思います」
中には、「後ろ手に縛られ、後頭部を撃ち抜かれた遺体もあった」ということです。
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さらに、ロシア軍による“証拠隠滅“とみられる動きも――
ブチャの住民
「彼ら(ロシア軍)は、携帯電話を見た瞬間に取り上げて、壊しました」
動画など、ロシア軍の行動の記録を消す目的とみられています。
ブチャでは今月12日時点で、403人の遺体が見つかっていますが、その後も新たな遺体が見つかっていて、いまだ被害の全容はわかっていません。